浴槽のフタを開けた瞬間に違和感…
ぬるくなったお湯の追い焚きは時間がかかりますが、あたたかいお湯を期待して「お風呂が沸きました」というアナウンスを待った私。リラックスタイムを期待して浴槽のフタを開けると……臭い!? 池のような、ドブのようなにおいがするのです。
温度だけは快適なはずだからと少し我慢してお風呂に浸かりましたが、悪臭と、菌がウヨウヨしている想像にさいなまれて、まったくリラックスできず、すぐに浴槽から出ることになりました。
においの原因は? 家族の人数にもよる!?
最近、実家に帰省したときには、母と妹の2人が入ってひと晩たったお湯の追い焚きでも快適に入れました。夫と私と子どもたち(当時13歳、11歳、9歳の息子たちと4歳の娘)、合わせて6人家族のわが家では、雑菌が多くなりすぎたのかもしれません。
追い焚きについてネットで調べてみたところ、やはり入浴人数によって雑菌数が桁違いなようで、2人と5人では入浴直後の雑菌数は20倍以上違うようです。ひと晩たったお風呂の水は、お湯を張った直後から数千倍も細菌が増えるそうで……私は想像の通り、細菌ウヨウヨのお湯で入浴していたことになります。
この経験から、追い焚きはその日のうちにするか、翌日に入浴するときはお湯を入れ直すようにしました。臭いお湯での入浴は至福の時間にならないばかりか、洗っても嫌な感じが残り、衛生的にも好ましくないので、節約どころか何もお得にならないことがわかったのでした。
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前日の残り湯を追い焚きして再利用することは、衛生面で注意が必要です。残り湯は時間の経過とともにさまざまな細菌が繁殖しやすくなり、皮脂や汚れなどの影響で、家族の人数が多いほど雑菌も増えやすくなります。
特にレジオネラ菌は肺炎などの重い症状を引き起こす恐れがあり、乳児や高齢者、ステロイドの使用などで免疫力が低下している人は感染リスクが高いとされています。そのため、翌日の入浴には新しいお湯をため直すほうが安心です。
節約を優先するあまり健康を損なってしまっては本末転倒。入浴は体を清潔に保つだけでなく、心身をリラックスさせる大切な時間だからこそ、誰もが安心して入れる環境づくりを意識したいですね。
著者:佐藤あづき/40代女性・主婦。2009年、2011年、2013年生まれの男の子3人と2018年生まれの女の子の計4人の子どもの母。医療職に従事している。
イラスト:森田家
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています