医師に告げられた診断名
第2子を妊娠し、上の子を出産した病院で分娩予約をし、毎月の健診にも順調に通っていました。妊娠32週目の健診日。いつものようにエコーをしていると、主治医が「う~ん」と言いながらエコー画面を見ているのです。
言い知れぬ不安を覚えながら説明を待っていると、主治医は「単一臍帯動脈の可能性があるね。一応県立の病院で検査をしてもらおう」と言ったのです。「たんいつさいたい……?」聞きなれない言葉にうろたえながら、主治医から説明を受けました。
どんな状態なの?
主治医によると、本来へその緒には1本の静脈と2本の動脈があるのですが、私の赤ちゃんの場合は動脈が1本になっているというもの。
へその緒は生まれたあとは不必要な物なのでそれ自体は問題はないけれど、血管の異常の一種のため、胎児の心臓や血管に問題がある可能性があるという説明でした。あまりにも突然の出来事で、頭が真っ白になったことを覚えています。
精密検査からの転院
主治医からの紹介状を持って県立病院に転院することになりました。幸い予約に空きがあり翌日に診察してもらえることになったのですが、診察前日は不安で眠ることができませんでした。
県立病院のエコーで丁寧に診察してもらった結果、単一臍帯動脈であることは間違いないけれど、胎児の心臓や主要血管、その他エコーで見える範囲の異常はないとのこと。ただし念のため、産後はNICUに入って精密検査をしましょうと言われました。私は赤ちゃんに異常がなかったことにホッとして思わず涙が出てしまいました。
出産後の赤ちゃん大丈夫?
単一臍帯動脈と診断がされた以外は極めて順調な妊婦生活を送り、いよいよ出産の時を迎えました。不安はもちろんあったものの、医師の「赤ちゃんに異常は見られない」という言葉を信じて出産に臨みました。
無事に生まれてきた娘は元気に産声を上げ、その元気さに医師は「これだけ元気に泣けるなら大丈夫! NICU行かなくていいよ」と言ってくれたのです。1カ月健診も元気のお墨付きをもらい、健康にすくすくと成長した娘はこの春に小学校に入学しました。
まさか自分に妊娠トラブルが起こるなんて思いもよらず、不安を抱き出産まで心配で眠ることのできない日々でした。そのため元気なわが子に会うことができて本当にホッとしたのを覚えています。生まれる前から心配をかけた娘は、今も親をヒヤヒヤさせるやんちゃ娘です。それでも当時の経験から、今はその心配をも楽しめる毎日を過ごしています。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:渡辺 あい/小2長女、小1次女、年中長男、1歳次男の4児の母。夫は単身赴任中で絶賛ワンオペ育児中。ファイナンシャルプランナー、フードコーディネーターとして幅広く活動している。
イラスト:大福
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています。