娘の脳症の原因になったロタウイルスは、どこにでもありたくさんの子どもが感染するにも関わらず、薬がない。主治医からそう言われ、「じゃあいったいどうすれば防げるんですか?」と思わず聞き返しました。先生から返ってきた言葉は……
もしかして防げた…?
当時ロタウイルスワクチンは、日本では無料の定期接種どころか認可すらされていませんでした(2020年に定期接種化)。現在は認可されたり定期接種になったりしたほかのワクチンも、当時は未認可だったり任意接種で高額だったりしました。予防接種さえできていたなら、病気かかることも脳症になることもなかったかもしれないと思うと、やり場のない悔しさと怒りが込み上げました。
ハナの脳症の原因はわかったものの、特に治療方針に変化はなく、回復するのか、いつ退院できるのかもわからないまま、看病は続きました。
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海外では承認されている薬が日本では未承認のために使用できないというケースが多々あります。薬事承認までの期間が欧米に比べて日本は長くかかり、薬の承認格差、いわゆる「ドラッグ・ラグ」として問題提起されているようです。
薬事承認に時間がかかることの背景には、人種による体への影響、過去の薬剤訴訟、薬の承認・審査をおこなう体制の差などさまざまなことが考えられています。
現在「ドラッグ・ラグ」を解消するために、さまざまな取り組みがおこなわれているようです。
和田さんのような思いをする人が1人でも減るように、薬の承認がスムーズにおこなえるようになるといいですね。
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娘さんの生死が関わる病気を防げたと思うと、何故日本でワクチンが打てなかったと後悔するのは当然ですよね。
ただ子宮頸がんワクチン等を見ても、有益として1度認可され補助の対象になりました。
しかしその後重大な後遺症例が続き、予防接種を自粛する方向へ……。
昨年また補助の対象になり、その期間受けられなかった人への救済も再開しました。
いくら有益な予防接種でも、重大な後遺症で障害が残った人にとっては結果が全て。
受けた事を猛烈に後悔したでしょう。
日本は認可にタイムラグが出る事がしばしば問題になる事も事実。
しかしそれだけ後遺症による被害を押さえる事に繋がるのであれば、悪でもない。
治療薬は病気を治す為に必要。その結果障害が出ても諦めが付くかも知れない。
どこを重要視するのか…簡単に決められる問題でもないのが悩ましいです。
命の山場を越え、現在は入院生活を送っています。
なかなか周りに同じ経験をしてる人がいなかったので、その時に感じた怖さや不安を絵や文字にしていただけてとてもありがたいです。
これからも投稿楽しみにしています。