憧れのロングドレス
私は物心ついたころからピアノ教室に通っていました。小さいころに見たコンサートで、足元までの長いドレスを着るお姉さんたちがとても輝いて見え、いつか私もあんなドレスが着たいと憧れるように。
そして高校生になり、ついにロングドレスを着る機会がやってきました。自分で選んだドレスをピアノから見えるところにかけ、コンサートの日まで頑張って練習したことを覚えています。ところが、コンサートの日に生理日が重なってしまうことがわかり、私はショックを受けました。
頭の中は生理のことでいっぱい
膝下ぐらいのドレスならいいのですが、足元まであるロングドレスを着たままだとトイレへ行くことは難しく、着る前に必ずトイレへ行っておかなければなりません。当日、ドレスに着替えるのはリハーサルと本番の2回。
リハーサル終わりですぐに普段着に着替え、ドレスはなるべく本番直前に着るように。万が一でも経血がモレてドレスを汚さないように、ナプキンを替えるタイミングをどうするかなど、リハーサル中は生理のことで頭がいっぱい。なかなか演奏に集中できずにいました。
本番のステージの上で…
ドレスに着替える直前でナプキンを替え、体を冷やさないよう出番の直前までカーディガンをはおり、下着のおなかのところにカイロを貼って、生理対策はバッチリで迎えた本番。
なんとか演奏を終えて、おじぎをしてステージ袖に戻ろうと歩き始めたとき、ハプニングが発生!
なんとおなかに貼っていたカイロがはがれて……ポトッと落ちてしまったのです!
お客さんを前にして明るいステージの中、カイロを拾うのは恥ずかしく、私はそのままステージ袖へ。ドレスが長いため見ていたお客さんにはわからなかったと思いますが、ピアノの横にははがれたカイロが落ちたまま……。
ステージ袖にいたスタッフの方にそのことを話すと、ステージが暗くなってからカイロを拾いに行ってくれました。
生理とコンサートが重なり、ドレスを汚さないか心配でしたが、なんとか経血モレはせずに終えることができました。しかし、まさか貼っていたカイロを落としてしまうなんて……。
そのあとも何度かコンサートと生理が重なったことがありますが、カイロは貼らないタイプのものを手に持ち、ステージ袖に置いておくようになりました。
著者/斉藤ひかり
作画/まっふ
監修/助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!