乳房再建用のCT撮影で見たかったもの
私は「浸潤性小葉がん」の診断を受けました。右胸にがんがあり、部分切除は困難だったので全摘手術をすることになりました。そのとき、自家組織で乳房の再建手術を同時におこなうことも決まり、手術へ向けた検査を受けることに。
太ももの組織から再建することになったので、そのために形成外科にてCT撮影をおこないました。
CT撮影をおこなったのは、手術の3週間前。造影剤を注射した影響で、帰りがけにまたもや胃にムカムカが……。多少気持ち悪くなってしまうことにも、もう慣れました。
翌週、CTで撮影した太ももの画像を見せてもらいに形成外科へ。
かねてより自分の太ももの脂肪の付き具合に興味があり、断面図を見て思わず感動……! なかなか下半身痩せできなかったので、脂肪の皆さんよろしくですよ! という気持ちに。
先生から「この血管は使えます」と画像をコマ送りで見せてもらいました。そういえば、形成外科を初めて受診したときのエコー検査で血管が〜と言われたことを思い出しました。とにかく血管につながるんだ、と新しい気付き。
左太ももの組織を使って右乳房の再建をすることに。左太ももがダメだった場合は右太ももから。それでもダメなときがごくまれにあるらしく、そのときは人工物での再建をお願いしました。絶対自家組織で再建したい! というわけでもありませんが、無事につながることを祈るばかり……。
その後、入退院の窓口へ寄り、看護師さんから入院の説明を聞いてアレルギーについてなどをお話しして帰宅しました。
入院の1週間前くらいにPCR検査を受けました。
防護服を着たスタッフの方が細長い棒のようなものを鼻の中へ……。「10秒我慢してくださいね」と言われた後、ゆっくりとカウントしながら鼻の奥をぐりぐりとこすられる。5秒くらいで限界がきて、目から自然と涙が出てしまいました。
入院する前に仕事で少し人が集まるイベントを担当していたのですが、感染予防のために当日は欠席しました。イベントの様子はZoomで眺めていました。半年かけて準備していたので悔しい気持ちを抱えつつも仕方ないと思うしかなく……。早くコロナが収まったらいいな。
乳がんの告知を受けてから、がんって気持ちを保つのが難しい病気なんだなと実感しました。緊張したり不安になったり……なるべく普段通り過ごせるように画策しました。
まずは乳がんを経験した方が今も元気に暮らしている体験談などを見たり読んだりして、きっとなんとかなる〜と信じてみたり。誰かと顔を合わせて仕事をしていると気が紛れたので、リモートワーク中だけどなるべく出勤できるようにしてもらいました。他にも、友人に会うときは何もなかった気に慣れたので、とにかく楽しもう! とそのときを過ごしたりしました。
ドキドキすることも多く、頭が回らなくなってしまうこともありました。何が正解っていうわけでもなく、素人の私にわかることは少ないので早く入院して先に進みたいという気持ちが強かったです。
入院まで秒読みになったある日。この日は休暇前最後の出社日でした。夕方になったとき、近くの部署の人たちが私の周りに集まってきて……一体何事かと思いました。
すると、寄せ書きとお花をいただきました。良い仲間がいてありがたい、早く病気を治して復帰したいなと思いました。
休暇は入院2週間、自宅療養2週間の4週間で想定していました。ただ、手術後の病理検査結果や治療方法、自分の回復力によって期間は変わると思っていました。なので、ひとまず1カ月以上はお休みしますと伝えました。が、結局2カ月になりそうです。
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治療のために仕事をお休みすることになったこほこさん。寄せ書きやお花を渡してくれるなんて温かくてすてきな職場ですよね。
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