嫁姑バトル話を間に受けすぎた
同居を始めたころ、私は義両親に気に入られようと無理をしていました。SNSで嫁姑バトルの記事をたくさん読んでいましたし、昔ドラマで観たような、よく気が利き低姿勢でほがらかな「お嫁さん」という、私が勝手に妄想した型に頑張ってはまろうとしていたのです。
しかし、「年齢的にも生活スタイルが違うだろうし、無理はせず、気楽に暮らしましょう」という義両親の方針もあり、元々ガサツで面倒くさがり、そしてお調子者な私の「お嫁さんごっこ」は早々にほころびを見せ始めました。
隙あらば甘える
たまたま義両親がお風呂を沸かしていたら、ラッキーとばかりにちゃっかりいただく。朝、食器をシンクに放置して出かけ、お皿洗いを代わりに頼む。
義実家同居3年目のいま、そういった日々の”甘え”から、酔っ払って義母にくどくどと悩み相談をするというようなウザ絡みに至るまで、当初の「気の利くお嫁さん」像とはかけ離れた姿でのびのびと羽を広げて生活をしている私。
お嫁さんというよりは、なんだか本物の娘のような振る舞いをする私を、義両親はやさしくかわいがってくれるのです。
その発想はなかった
それでもたまに、ふと「こんなに甘えて、義両親の負担ではなかろうか」などとウジウジ悩むこともあったのですが、ある日義母が言った、
「友だちに、『甘えてくれるお嫁さんでうらやましい』って言われるの」。
という言葉に衝撃を受けた私。義母は嫌味を言うような性格ではないですし、義母の話を聞いている限り、義母の友人も素敵な方ばかりです。だから多分、本当にまっすぐな意味でこう言ったのだと思うのです。
私にとってこの言葉は衝撃的でした。そんな発想はなかったというか、「嫁に甘えられるとうれしいのか」と本当に目からウロコが落ちた気分でした。なんとなく、嫁と義実家との間には見えない壁のようなものがあるようなイメージだったのですが、違ったようなのです。
このとき私は「家族になる」ということの奥深さを感じましたし、安心して義両親に甘えまくれるようになりました。
私が、ネット上で嫁姑に関する修羅場体験談のような記事を読みすぎていただけかもしれませんが、「嫌われないようにしなきゃ」などと気を張っていたころがなつかしく感じます。もしかしたら、嫁側からの一方的で刺激的な体験談ばかり、読みすぎていたのかもしれません。私の義両親側から見る世界はあたたかいと知って、安心した私はますます義両親に甘えながら暮らしています。
著者/つちやです
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