初めての出産は立ち会いNG!
初めての妊娠・出産で不安いっぱいでしたが、新型コロナウイルス感染症対策のため立ち会い出産はNGになり、私はひとりで出産に臨みました。そのため、夫は私が子どもを産んだときの様子をまったく知りません。
実際は、助産師さんに叫ばないようにと怒られてしまうほど叫びまくりのお産だったのですが、私は恥ずかしさから、夫に出産時のことをあまり話していませんでした。夫が出産で知っていることは、分娩所要時間や普通分娩だったことくらいです。
つい、夫の発言に合わせてしまった
産後、経過も順調で比較的動けた私。子育ての気分転換に料理をしたり家事をしたりする私の姿を夫は見ていました。
テレビで出産の話題が出たり、知人から出産にまつわる話を聞いたりするたびに、夫は私に「出産がラクでよかったね!」と言うようになりました。初めての出産で他と比べることができなかった私は、夫の発言に「そうだね!」と合わせてしまったのです。
見ていないのに語る夫にモヤモヤ…
それから夫は「うちの妻の出産はラクだった」と思い込んでいるようで、あらゆる場面で「出産がラクでよかったね!」と言ってくるようになりました。テレビで出産を語る芸能人がいれば「うちは出産がラクでよかったね」、2人目の話をすれば「前もラクだったから、次も簡単に産めるんじゃない?」といった具合です。
陣痛時間は8時間ほどで、大きなトラブルもなく安産だったかもしれませんが、出産そのものを見てもいない夫に「出産がラクだった」と言われるのはモヤモヤしました。
どんな出産もラクじゃない!
夫が私の出産について「ラクだった」と発言するたびに、なんだか出産そのものを軽視されているような気がしてモヤモヤしていた私は、「どんな出産もラクじゃない! 私は命がけで子どもを産んだ」と、その思いを夫に伝えました。
すると夫は「ごめん。産後元気そうにしていたから、つい出産がラクだと言ってしまっていた」と謝ってくれたのです。それから私は恥ずかしいことだと思わずに、陣痛がとても苦しかったことや痛みで吐いてしまったこと、叫んで助産師さんに怒られたことを話すようになりました。
痛みで叫ぶなんて恥ずかしいと自分自身が思ってしまい、夫に詳しく話さなかったため、夫は妻の出産がラクだったと思い込んでいたようです。立ち会いNGで直接そばにいることはできなかったけれど、夫婦で出産体験を共有することは、互いに命の尊さを実感するためにも大切なことなのだと思いました。
著者:鮫島彩美/30代女性・主婦。0歳の男の子のママ。2年の不妊治療経験があり、念願の子育てを満喫中です。妊娠を機に仕事を退職したことでお金や保険に興味を持ち、現在はファイナンシャルプランナーの資格取得を目指しています。
作画:うちここ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています