モラハラ気質の彼と…
恋愛経験ゼロだった私は、異性との関わりがほしくて出会い系サービスを始めました。そこである男性と出会い、交際することに。ただ、付き合い始めたころはやさしかった彼ですが、次第に暴言を吐いたり怒ったりするようになっていったのです。
彼は「早く結婚しよう」と迫ってきて、さらには「結婚することを早く親に伝えろ! さもないと、出会いや性的な恥ずかしいことまで家族にすべてをバラすぞ」と言ってきました。しかし、恋愛経験がなかった当時の私は、怒り狂う彼の言動さえも愛情表現だと勘違いしてしまっていたのです。
そしてある日、私は彼に迫られるがまま、結婚することを父に伝えました。すると父からは「お前は本当にそれでいいのか?」という言葉が……。
そう言ってくれたにもかかわらず、私はその言葉の意味を深く考えることなく、彼と結婚に至りました。
彼の行動はヒートアップ
結婚後、彼のモラハラはヒートアップし、気に入らないことがあれば物に当たって脅すことも増えていきました。日中は仕事、帰宅後は彼のご機嫌とりで忙しい私の生活はただのストレスでしかなく、休息なんてありません。私は、どんどん精神的に追い詰められていきました。
そんな日々に耐えていた私を見た父は「いつでも言いたいことがあったら言えよ」と、私が実家に帰省したとき声をかけてくれていました。
父に心配をかけまいと思っていた私でしたが、悪化する生活状況への不安が募り、彼のモラハラについてすべてを話すことにしたのです。
父は私の理解者だった
男手ひとつで私を育ててくれた父は、すべてを見透かしていたようで、話を聞いた後「そうだろうと思った」とひと言、私の話をやさしく受け止めてくれました。彼との結婚前、無口な父からは「お前は本当にそれでいいのか?」という言葉しかかけられませんでしたが、幼いころから私のことをずっと見てきてくれていた父は、常に私の幸せを願ってくれていたようです。
離婚経験者である父は、これまでさまざまな経験や思いをしてきたからこそ、わかることがあったのかもしれません。私は、彼との結婚を決める前にもっと父に相談していればよかったと後悔しました。
もし、父の「お前は本当にそれでいいのか?」という言葉を重く受け止めていれば、きっと今とはまた違う結果になっていたと思います。それでも、父の協力もあって彼とは離婚が成立し、私は新たな人生をスタートさせています。
著者/灰ジン
イラスト/ののぱ
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