毎日外出していた時期は良かったけれど…
不動産会社を経由して下の階の奥様から届いた苦情は、「子どもが走ったり飛びはねたりする音が一日中聞こえるんです」というもの。そのご夫婦は、私が第二子である娘を産んだ直後に入居されました。
当時息子は1歳を過ぎたばかりで、やっと歩き始めたころ。毎日のように一緒に公園に行っていたので、一日中家にいることはほとんどありませんでした。しかし娘の離乳食が始まり、外では日が短くなったころから、私は外出が億劫になって子どもを家の中で遊ばせることが増えたのです。
下階の女性とバッタリ
そのご夫婦は2人暮らしだったので、子どもが苦手なのかもしれない、とも思っていました。そんなとき、マンションの外でご夫婦の女性とすれ違った日があったのです。苦情を受けたすぐ後だったので、その件を謝罪しようとしました。すると、いつもはクールで無表情な女性のほうから、笑顔であいさつをしてくれたのです。
そして、バッグには“おなかに赤ちゃんがいます”のキーホルダー。私はびっくりして、あいさつを返すので精いっぱい。言葉に詰まってしまい、騒音の件を謝ることができませんでした。
下階からの続く苦情と抗議
苦情の後から、わが家の床にはジョイントマットに加えて防音マットも敷き、天気の悪い日以外は外に出る時間をつくるようにしています。それでも息子がリビングで走ったり、子ども2人が同時に泣いたりすると、下の奥様は抗議するように壁をドンドンドン。ご迷惑をかけてしまい申し訳ない気持ちと、ずっと見張られているような感覚でストレスを感じるようになりました。
同じマンションのママたちとは、近くで子ども同士を遊ばせて話をしたり、お付き合いがあります。でもこの女性とは、そういう関係になれないだろうなというのが正直な気持ちです。
悩んだ末…
わが家はこれからも今の部屋に住み続ける予定でした。夫の定年後に、夫の地元で家を建てるつもりだったのです。しかし現状は、下のご家族に迷惑をかけていて肩身が狭い状態。不動産会社からは、賃貸マンションに使われる材質の都合上、音が響きやすいのは仕方がない、と言われました。
借り住まいの狭い空間に子ども2人がいるのだから、壁やドアを傷めないようにいつも注意しなくてはいけません。少しでもストレスが減る暮らし方はないかと考え、ついに今住む地域で人生最大の買い物をすることに決めました。
いつ来るだろうと怯えていた騒音クレームがとうとう届き、苦情のお相手は下の階に住むまもなくママになる妊婦さんでした。子どもの生活音についてもう少し理解してほしいと思う気持ちはありますが、妊娠中は心も体もデリケート。自分の子どもの音でもつらいのに、他人の子の騒音はなおさら嫌だろうとも思います。また、私のほうは防音対策をしても抗議が続く状況に肩身が狭く、ストレスを感じていました。分譲マンションを買う決断には後悔していません。
イラスト/まめねこ
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著者:おかもとえみ
2歳男児、0歳女児のママ。接客業や事務職、広告制作会社を経て現在は主婦ライター。ずぼらでマイペースな子ども好き。