勝手に決まっていた婿入り結婚
結婚が決まってすぐ、私の両親と彼と私で食事会をしました。両親はもともと彼のことを気に入っていたこともあり、結婚には快諾。そんな中、私がお手洗いに行って席を外しているときに事件は起こりました。
私が姉妹の長女、彼が兄弟の次男ということもあり、私の父がお酒に酔った勢いで「婿に入ってくれんか」と彼に言ったそうです。すると、育った家庭環境が悪かった彼はすんなりOKを出したそうです。
こうして、婿入り結婚になることがあっさりと決定。私がお手洗いから戻るとすでに結婚の話は終わっていて、父と彼は別の話題で盛り上がっていました。
義母へのあいさつと問題の始まり
続いて、彼の実家に挨拶に行くことに。
小さいころから家庭環境がよくなかったと話す彼の実家にあいさつに行くとなると、なんだか身構えてしまい、私はとても緊張しました。そんな中でドキドキしながら結婚を報告したのですが、思いのほか彼の両親の反応は良く、ひと安心。会話が弾んで場の雰囲気が和やかになったころ、彼が軽いトーンで婿入りの話を切り出しました。
すると、それまで和やかに話していた義母の様子が一変。突然、怒り狂ったように「そんなの聞いてない!」と言い出したのです。結局、その日は険悪なムードのまま終了。このあとどうなってしまうのだろうと不安になりましたが、彼が「わが家のことは俺がなんとかするから気にしないで」と言うので、彼を信じてまかせることに。
しかし、それから間もなくして義母から「婿入りとはこういうものだ」「結納金は300万以上じゃないと納得しない」などと書かれたメールが、たびたび私のもとに届くようになったのです。
両家の顔合わせと嫌がらせの結末
義母からのチクチクした攻撃メールに、私は頭を悩ませました。こんなにも義母との関係が悪化してしまうのならば、もういっそのこと結婚をやめようかとも思ったほどです。そんな中、事前に決めていた両家の顔合わせの日を迎えました。
そこで、彼が「俺の実家はお兄ちゃんが継いでくれているけど、彼女の家は姉妹だけで継ぐ人がいないから」と、婿入りの経緯を改めて義母に説明。直後に私の父親も「大事な息子さんだとは思いますが……」と頭を下げると、義母はここでようやく婿入りを納得してくれました。
その後、彼を婿入りさせる代わりに義母から出された条件は、私たち夫婦も義母たちと同じ県に住み、子どもができたらこまめに義実家へ顔を出すことでした。私たちはもちろん条件を飲み、結婚したあとはこまめに義実家に顔を出すようにしています。
今も義母に会いに行くたび、何かにつけて「婿入りだからね」と嫌味を言われますが、あまり気にしないようにしています。
婿入り結婚が決まり、義母から八つ当たりのようなことを受けました。そんなに婿入りというのは悪いものなのか、体裁が悪いものなのかわかりませんが、義母にとってはなかなか納得できないものだったようです。でも、最終的には許してもらえてよかったです。
ちなみに、私としては結婚して苗字が変わることに実は憧れがあったのですが、実際に婿入り結婚をしてみると、私は結婚しても諸々の事務手続きがとても簡単に終わったので、ラッキーだったなと思うようにしています。
義母との距離感にいまだに悩むこともありますが、これからも近すぎず遠すぎずな距離感でうまくお付き合いしていけたらいいなと思っています。
著者/なかまるあゆみ
作画/霜月いく
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