『嫁になる覚悟』とは?
初めて彼の両親にあいさつしたときのことです。レストランの席に着くなり、義父から「ウチの嫁になる覚悟はあるのか」と言われました。私だけでなく隣に座っていた彼も、向かいの席の義母までもが驚きその場に凍りついて、予想外の展開に私はただただ口をぽかーんと開けていました。
さらに、義父は「毎週メールで近況報告を送るように」「年賀はがきは礼儀だしお互いに毎年送り合うものだよな」と、これら2つを結婚の条件として提示したのです。義父に圧倒された私は食事の味なんてほとんどわからないまま、2時間をぼーっと過ごして帰りました。
後日、仲の良い友人にこの日のことを話すと「それは毒親だね。結婚したら付き合いが大変だよ〜。今のうちに彼と別れちゃったほうがいいんじゃない?」とまで言われる始末。客観的に見ても、義父は少し変わった人のようです。
彼との結婚を許してほしいので、義父とメールを始めてみた
彼はいつも穏やかで、義父とは正反対な性格。どうやら彼は、義母の性格を100%受け継いだようです。私はそんな彼の性格がとても好きで、別れるなんて選択肢は考えられません。仕方なく、義父とメールのやりとりを始めることにしました。
すると、義父のメールの内容はいつも独特で、義父の趣味であるラグビーの話題が多く、なぜか毎回難しいことわざや格言で文章が締められています。返答に困るような内容が多かったので、返信内容を考えるには数時間もかかって大変でした。
ほどよい距離感を保っていこう
その後、無事に結婚を許してもらった私は、入籍してしばらくすると彼との間に第一子を授かりました。子どもが生まれた今は、義父とのメールのやりとりの頻度も減り、たまに義父とメールをするとしても内容はもっぱら子どものことです。
子どもが生まれる前に勝手に名前を考えていたり、子どもが大きくなったらラグビーをやらせたいと言ったり、まだ生後数カ月なのにラグビーの試合観戦に子どもを連れてこいと言ってきたり、子どもが生まれるときに私の実家近くに引っ越してきたり……。義父の気になる行動を挙げるときりがないのですが、私からは特に何か言うこともなく、適度な距離感を保って暮らしています。
数年の結婚生活を経て、義父に面倒なことを言われたときにうまく受け流す技術と、断る勇気を身につけました。義父に何か言われたとしても意見をそのまま鵜吞みにするのではなく、やんわりと右から左に流すことにしています。幸い、夫は私の味方になってくれているのが救いです。
義父は今後も子どもの成長に口を出してくると思いますが、気にしすぎてストレスが溜まらないよう、ほどよい距離感で付き合っていけたらいいなと思っています。
著者/伊東理恵子
作画/霜月いく
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