マウント夫「俺が養ってやっている」
お見合いの席ではやさしく礼儀正しかった夫でしたが、結婚生活が始まった途端、人が変わったように冷たくなり、今では嫌みばかり言うように……。
家事を終えた私が休憩していただけで「家事をしろ」と怒り、言い返そうもんなら「養ってやっているのに態度が悪い」と罵ります。
たとえ家事を完璧にしたところで、夫から感謝の言葉を聞かされることもありません。家政婦扱いに腹は立つけれど「何を言っても無駄」と反論はせず、従順な妻を装っていました。
専業主婦には小遣いなんていらないだろ!
しばらくすると夫の帰りは遅くなり、せっかく作った夕飯も「外で食べてきた」と手をつけません。
ついに、これまで渡されていた小遣いが渡されなくなる始末。
夫を問いただすと
「寝る家があって食事もある。専業主婦には小遣いなんていらないだろ」
と、上から目線……。
しかし、専業主婦になったのは夫の希望。小遣いがもらえないと、必要最低限の日用品や消耗品すら買うことができません。このときばかりは引き下がらない私にイライラした夫は、1枚の紙を持って戻ってきました。
「俺のいうことが聞けないのなら、これ書けよ!」
差し出されたのは、離婚届でした。
マウントをかけたはずだったのに……
「うん、いいよ!」あっさりと承諾する私に、
「小遣いなしでいいよってことか?」と能天気な夫。
「離婚でいいよって意味!」これまで大人しくしていた私でしたが、我慢の限界はとっくに超えています。
離婚届に手を伸ばそうとすると、急に夫はアタフタしはじめました。
「離婚は脅しだったの〜。器の小さい男!」
夫の手からサッと離婚届を奪い取りました。
実は、夫の浮気に気づいていた私。
家事や身の回りの世話をすべてやっていたので、スーツに移った香りや持ち物の変化はすぐにわかります。
自分の行いのせいで浮気がバレた夫は、大人しいと思っていた妻の強気な一面に慌てています。
これまでじっと耐えていた私も、ここまできたら容赦しません。
夫と浮気相手へは慰謝料を請求しました。結果、夫はタワマンを手放すことになり、浮気相手との関係性も悪くなったのだとか。
今思えば専業主婦になるようにいったのも、妻へのマウントを取るためだったのですね。
◇ ◇ ◇
働いているから偉い、専業主婦なんて暇だろう、というのは大きな誤り。互いを尊重し、公平な立場でいてこそ、円満な夫婦でいられるのですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。