パニ子は出産を控えた妊婦。わが子に会える日を心待ちにしています。
しかし夫のヨウタはというと、いまいち父親になる自覚がないようで、これまで一度も妊婦検診についてきたことがありません。こんな父親で大丈夫かなと不安になっていた矢先の出来事です。
出産間近の妻を置いて海外旅行!?
「明日から親友と旅行に行ってくる! 子どもが生まれたらなかなか行けなくなるからなぁ〜♪」
急遽決まったという旅行に向けて、楽しそうに荷造りを始めるヨウタ。子どもが生まれたら気軽に旅行に行けなくなるのはパニ子も同じなはずです。
しかし、ヨウタは何かにつけて「子どもが生まれたら〜」という建前をいって、ゴルフだ競馬だ飲み会だと、出掛けてばかり。
もういつ生まれてもおかしくないタイミングで旅行に行くなんて、パニ子は不安になってしまいます。
「子どもが生まれるまではできるだけ家にいてほしいんだけど……」
そんなパニ子の願いは届かず、ヨウタは1週間の海外旅行に出掛けてしまいました。
「きっとこの人は子どもが生まれても変わらない」
パニ子は腹を括り、とある作戦を実行することにしたのです。
旅行から帰ってびっくり!そのワケは……
パニ子は早速実家の両親に相談。ヨウタが留守の間に、家具や家電を運び出しました。
パニ子が家で使っている家具も家電も、すべてパニ子が結婚前に使っていたものだったので、家に残ったのは簡素な家具とヨウタの荷物だけです。
旅行から帰ってきたヨウタは、もぬけの殻になった家を見て仰天!
慌ててパニ子に電話をかけてきたのです。
今更すぎる夫の弁解
「俺を置いてどこに行ってるんだよ!」
「見ての通りよ。私、実家に帰ったの」
「家具も家電も全然ないじゃないか」
「だってどれも私が買ったものだから当たり前でしょ?」
臨月のパニ子を置き去りにして旅行に行ったのに、この期に及んで弁解を始めます。
「子どもが生まれたら、ちゃんと育児も家事もする! 父親として心を入れ替えるから、帰って来いよぉ〜!!」
今さらそんなことをいわれても、信じられないパニ子。もはややり直す気にはならないので、もうひとつの手札を切ることにしました。
父親になる自覚ゼロ! ダメ夫の顛末
「あなた、私にまだ嘘ついてるわよね」
途端にうろたえるユウタ。これはクロ!
「私、ちゃ~んとわかってるんだから。誰と旅行に行ったのか」
実は、ユウタが出掛けてすぐ、浮気調査会社に依頼をしていたパニ子は、不倫旅行の証拠を手に入れていたのです。
「これまでのゴルフや飲み会も全部嘘! その女と会ったのよねぇ。妊婦の妻を置き去りにして!!」
パニ子は離婚の意思を伝え、ユウタを拒絶!
もちろん慰謝料と養育費の請求も忘れてはいません。
パニ子の行動力を甘く見ていたユウタ。このまま結婚生活を続けていても、父親の自覚が芽生えることはなかったように思えますね。
旅行や飲み会、趣味など、子どもが生まれたらこれまで通りいかないことも多いでしょう。それは夫婦どちらも同じです。身軽に動けるうちにやっておきたいことは、夫婦で話し合い、了承をとった上で、行いたいものですね。