パニ子とコウジは仲良し夫婦♪ 週末には2人でデートに出掛けています。
姑と同居していて面倒なこともあるけれど、コウジはいつもパニ子の味方をしてくれるので、なんとか乗り切っています。
しかしあるとき、さすがのパニ子夫婦でも乗り越え難いトラブルが襲いかかったのです。
だらしない姑にうんざり
義母はとても元気で、今でもパートで働いています。在宅で仕事をしているパニ子にとってはそれも救いで、良い距離感を保てています。
それでも義母のだらしないところにはパニ子もうんざり。
パニ子のものを勝手に持ち出したり、使ったものを片付けなかったりし、そのたびにコウジに怒られているのです。
とある週末、パニ子とコウジは友人の結婚式に招待されたので、1泊2日の旅行も兼ねて、家を空けることになりました。
だらしない義母を置いての旅行は気が重かったものの、帰ってきたら片付けようと覚悟を決めたパニ子。夫婦水入らずの旅行を楽しみました。
翌日、パニ子とコウジが家に帰ると、そこには目を疑う光景が広がっていたのです。
「勝手に売るなんて!」「結構な金額になったわよ〜」
さぞかし散らかっているだろうとドアを開けたパニ子。
しかし、予想に反し何もない部屋……。
片付いているのではなく、家具や家電のほとんどがなくなっていたのです。
「泥棒!!」
警察の事情聴取を受けていると、義母が部屋に入ってきたのです。
「私がぜ~んぶ売ったのよw」
パニ子は状況を理解できません。
テーブルにソファー、テレビに冷蔵庫、仕事道具のパソコンやタブレット、すべてなくなっています。
「テレビを見ていたらミニマリストの特集をやっていたの♪ 無駄なものがなくなるって本当に素晴らしいことだわ! それにね、結構なお金になったわよ〜w」
コウジは怒りを通り越し、何も言えず、パニ子はあまりのショックで座り込んでしまいました。
ミニマリストを押し付けた姑の顛末
いよいよ本気でキレるコウジ。
「俺たちのものを勝手に売るなんて何考えてんだよ!!」
「このままミニマリスト夫婦として生活すればいいわ♪」
それでも義母は、反省した様子を見せません。
大切な商売道具であるパソコンを勝手に売られてパニ子も激怒。
「私の仕事道具まで売ったなんて、何を考えているんですか!? 」
「そんなもの使わない仕事をすればいいだけの話でしょw」
「家のものを売った金はどうしたんだ? 結構な金額になったっていってただろ?」
「お金はね~、使わせてもらったわ♡」
なんと、義母はホストクラブに入り浸っていて、売ったお金をすべて使い果たしていたのでした。
このまま一緒に生活するなんて、絶対に無理だと確信したパニ子とコウジは、姑に絶縁を言い渡しました。もちろん、ミニマリストになる気はないので、借金をしてでも、もう一度すべて買い戻してもらいます。
住む家を失い、借金まで抱えることになった姑。
お金がなくなった途端、ホストクラブも出禁になったのだとか。
必要な家具や家電を再び買い揃えたパニ子とコウジ。姑の行動には驚いたけれど、お陰で家の中がスッキリしたのはたしかです。ミニマリストにはなれないけれど、これをきっかけに、本当に必要かを考えながら買い物をするようになったのでした。
ミニマリストとは「必要最小限のものだけで暮らす人」のこと。とても素敵な暮らし方ですが、人に言われて無理やり始めるものではありません。何が必要で何が不要か、自分のタイミングでチョイスして、快適な生活を送りたいものですね。