だらしない義母にうんざり
義母はとても元気で、今でもパートで働いています。在宅で仕事をしている私にとってはそれも救いで、良い距離感を保てています。
それでも義母のだらしないところには私もうんざり。
私のものを勝手に持ち出したり、使ったものを片付けなかったりし、そのたびに夫に怒られているのです。
とある週末、私と夫は友人の結婚式に招待されたので、1泊2日の旅行も兼ねて、家を空けることになりました。
だらしない義母を置いての旅行は気が重かったものの、帰ってきたら片付けようと覚悟を決めた私。夫婦水入らずの旅行を楽しみました。
翌日、私と夫が家に帰ると、そこには目を疑う光景が広がっていたのです。
「結構な金額になったわ!」義母が勝手に…
さぞかし散らかっているだろうとドアを開けた私。
しかし、予想に反し何もない部屋……。
片付いているのではなく、家具や家電のほとんどがなくなっていたのです。
義母は出かけていて不在のようでした。
「泥棒!?」
焦った私たちは急いで警察に通報。
そして、到着した警察官から事情聴取を受けていると、義母が帰ってきたのです。
「泥棒じゃなくて、私がぜ~んぶ売ったのよ!」
「……は?」
私は状況を理解できません。
テーブルにソファ、テレビに冷蔵庫、仕事道具のパソコンやタブレット、すべてなくなっています。
「テレビを見ていたらミニマリストの特集をやっていたの♪ 無駄なものがなくなるって本当に素晴らしいことだわ! それにね、結構なお金になったわよ〜」
夫は怒りを通り越し、何も言えず、私はあまりのショックで座り込んでしまいました。
ミニマリストを押し付けた義母の顛末
警察官に謝り帰ってもらったあと、いよいよ本気でキレる夫。
「俺たちのものを勝手に売るなんて何考えてんだよ!!」
「このままミニマリスト夫婦として生活すればいいわ♪」
それでも義母は、反省する様子を見せません。
大切な商売道具であるパソコンを勝手に売られて私も激怒。
「私の仕事道具まで売ったなんて、何を考えているんですか!? 」
「そんなもの使わない仕事をすればいいだけの話でしょ」
「家のものを売った金はどうしたんだ? 結構な金額になったって言ってただろ?」
「お金はね~、使わせてもらったわ♡」
なんと、義母はホストクラブに入り浸っていて、家のものを売ったお金をすべて使い果たしていたのでした。
どうやらミニマリストに感化されたというのは言い訳で、ホストクラブに通い続けるためにお金が必要だった様子……。
このまま一緒に生活するなんて、絶対に無理だと確信した私と夫は、義母に絶縁を言い渡しました。もちろん、ミニマリストになる気はないので、義母には借金をしてでも、すべて買い戻してもらいます。
住む家を失い、借金まで抱えることになった義母。
お金がなくなった途端、ホストクラブも出禁になったのだとか。
その後、義母が買い戻しきれなかった家具や家電を再び買いそろえた私と夫。義母の行動には驚いたけれど、おかげで家の中がスッキリしたのはたしかです。ミニマリストにはなれないけれど、これをきっかけに、本当に必要かを考えながら買い物をするようになったのでした。
◇ ◇ ◇
ミニマリストとは「必要最小限のものだけで暮らす人」のこと。とても素敵な暮らし方ですが、人に言われて無理やり始めるものではありません。何が必要で何が不要か、自分のタイミングでチョイスして、快適な生活を送りたいものですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。