無料でもらえるの?
ある日、自治体の広報誌を読んでいた私は、1つの記事が目に留まりました。
それは「生理用品の購入が負担になっている方に向けて、役所で防災備蓄用の生理用品を無料で配布します」というお知らせについて書かれた記事でした。記事をよく読むと、男女平等推進センターなど役所以外にも受け取れる場所があるとのこと。
生理用品を無料で配布するという取り組み自体にもとても驚いたのですが、私にはもう1つ驚いた点がありました。
利用者への配慮に感動!
それは、生理用品の受け渡し方。生理用品をもらうためには、配布場所に行って「生理用品をください」と職員の方に口頭で伝えるのだと思っていたのですが、どうやら違うようで……。
自治体のWebサイトや配布窓口には、「声に出さなくても大丈夫です。サニタリーグッズをお渡ししています。窓口でこのカードをお示しください」と書かれたカードがあるそうで、それを見せるだけで生理用品を受け取ることができるようなのです。この受け渡し方法は、役所以外にも男女平等推進センターでもおこなわれているようでした。
「生理用品が欲しいです」と窓口で声に出さなくても受け取れるのであれば、利用しづらさを感じる方も減ると思いますし、受け取る側へのやさしい配慮だなと思いました。
あたたかい気持ちに…
生理用品を入手したくても、できない人がいるという話を耳にしたことはありましたが、自治体がそれを解決するための取り組みをしていると初めて知った私。
生理は決して恥ずかしいものではありません。しかし「生理用品が欲しい」と声に出すことで、周囲に「あの人は生理用品をもらいにきたのだ」と気づかれてしまうのではないかと心配に思ったり、それに抵抗感を抱いたりする方もいるのだと思います。
生理用品を配布するだけではなく、受け渡し方法という細かな部分にも配慮された取り組みに、私は気持ちがあたたかくなったのでした。
世の中にはいろいろな境遇の方がいらっしゃいます。生理用品が必要なときに用意できること、生理用品が欲しいとちゅうちょなく口に出せることなど、自分の境遇や考え方を当たり前だと決めつけず、「自分ができていることでも、困難だと感じている人もいるかもしれない」と考える大切さを学びました。
著者/nanoka22
監修/助産師 松田玲子
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