33歳・パニ子は、保育園に通う3歳の娘・パニ美と夫カツミとアパー卜で3人暮らし。
あっという間に字が読めるようになり、いまや俳句をこよなく愛する娘の教育資金を貯めるため、パニ子は仕事に家事にとコツコツ頑張る毎日。
しかし、夫のカツミは娘の将来には関心がなさそうで……。
毎週末実家に帰る夫
夫は毎週末、1人で実家に出かけていきます。
娘を連れて行ってほしいといっても、親孝行の邪魔だと言って断る始末。
さすがに義両親も迷惑なんじゃないかと思い、ある夜義実家に電話をかけてみたパニ子。
どうやら夫は、パニ子は休日出勤でパニ美も用事があると嘘をついて、実家でただゴロゴロしていた様子……。
パニ子は、夫の話を信じている義母に、全部デタラメで家でもふんぞり返って困っていることをバラしました。
すると、義両親から”あること”を話し合っていると打ち明けられて……。
夫の裏切り、妻の決意
ある朝、いつものようにパニ子が出かける支度をしているときでした。
「パニ子、話があるんだ……」と、夫から話しかけられました。
一体何事かと思って話を聞いてみると、パニ子に相談もなしに義実家の近くに土地を購入したと告げられました。
しかも、売買契約を結んで頭金も支払い済みとのこと。
……でも、夫には土地を買うお金なんてないはず。
一体支払いはどうしたのかと尋ねるパ二子。
「それなら大丈夫。頭金は子どもの貯金で払ったよ」
なんと、せっせと貯めてきたパニ美の教育資金を使い込んでいたのです……!
もう無理……。限界……。
パニ美を保育園へと送る道中で、パニ子の決意は固まりました。
その日の夜――。
カツミは帰ってくるなり、ふてくされた顔のパニ子を見てまだ怒っていると思ったのか「わが家にとって一番ハッピーな金の使い方をしたんだ」と主張してきます。
その態度を見て、自分がしでかしたことの重大さをまったくわかっていないと感じたパニ子は、反撃を開始することにしました。
ついに反撃開始!
そんなとき、ナイスタイミングで、パニ美が義両親を引き連れてやってきました。
パニ美は、自分の父親の愚行について余すことなく報告するため、保育園のお迎えを義両親にお願いしていました。
孫の口から息子の愚行を聞かされた義両親は、当然ながら激怒。
パニ美にも、ママが節約して一生懸命貯めたお金を黙って使ったことを責められます。カツミはあくまで家族のためと言い訳を並べますが「そのために、私の教育資金に手をつけていいてわけじゃないわよね」と、冷静な突っ込みが。
さらにパニ美は、衝撃の計画をカツミに教えてあげることにしました。
「じいじとばあば、お引越しするらしいわよ」
実は、カツミの身勝手さを警戒して、義父母も作戦を練っていたのです。
「私たちにいつまでも甘えるだけでなく、大切な妻と娘をないがしろにするなんて……最低よ!」
母の言葉に絶句するカツミ。
そこでパニ子は、とうとう離婚届を突きつけたのでした。
結局、カツミは家を追い出され、両親からも絶縁。
もちろん土地の売買契約はキャンセル、違約金まで求められる事態に……。
離婚に伴う慰謝料や教育資金の弁償も重なり、今や死にものぐるいで働かざるをえない毎日のようです。
ちなみに、パニ子たち母娘と義理の両親は、今でも良い関係を保っているとのこと。「親しき仲にも礼儀あり」とは言いますが、それがまさに体現された出来事ですね。