「お前に問題があるんじゃないの?」
今月も子どもを授かることができなかった私たち夫婦。夫はあからさまに大きなため息をつきます。
思いやりのない夫の態度に私は腹が立ちましたが、ここで争ってもしょうがありません。「また来月頑張ろう!」と明るく声をかけました。
しかし夫の口から出たのは、あまりにひどい言葉でした。
「これだけ妊活しても子どもができないなんて絶対におかしい! お前に問題があるんじゃないの? だってお前の親は高齢出産だし、ひとりっ子だろ? 遺伝だろ!」
まったくの言いがかりに心底あきれた私。
なんの根拠もなく子どもができないことを人のせいにし、両親を悪く言ったことは許せません。
妊活を続けていいのかな…
そうまで言うのならこの際ハッキリさせようと、私は夫を不妊検査に誘いました。しかし自分にはなんの疑いもないと拒否!
仕方なく、私はひとりで検査を受けることに。
検査の結果は「異常なし」。これで不妊の原因は私ではないことが証明されました。
それを聞いた夫は「検査の結果が間違っているんじゃないか? もう1回行ってよく調べてもらえよ」と結果を疑うばかり。
こんなにギスギスした状態では、妊活を続けて良いものか悩んでしまいます。
それからというもの、夫もあからさまに私を避けるようになり、妊活は一向に進みませんでした。
モラハラ夫の信じられない行動
ある日私が家に帰ると、見知らぬ女性がリビングのソファに座っていました。
「はじめまして〜♡ 私、◯◯さん(夫)とお付き合いしてるんです!」
「俺さ、やっぱ子ども産める人と再婚するわ!」
夫はニヤニヤしながら私を見て、信じられないことを言うのです。
「欠陥があるお前は用済み! 俺とは離婚してくれ」
怒りを通り越し、情けなくなってしまった私は、荷物をまとめて家を出ることに。
その後、私たち夫婦は離婚が成立しました。
モラハラ夫の離婚後
数年後、とあるショッピングモールで再会した私と元夫。久しぶりに見た元夫は、くたびれた服を着て髪はボサボサ、やけに老けて見えました。隣には不倫相手の女性が立っています。
元夫は私が抱っこしていた子どもを見て、
「お前不妊症じゃなかったのか?」と、いまだに言うのです。
「検査の結果、問題なかったって言ったよね? 私の子どもよ!」
かわいい子どもに恵まれ幸せそうな私を見て、元夫と不倫相手は悔しそうな表情を見せます。
今思えば、モラハラ気質だった元夫。不倫相手も幸せなワケがありません。職場でも同じような態度をとって人を見下していたようなので、きっと出世もしていないのでしょう。あのとき、離婚を選択した自分は間違っていなかったと確信した私でした。
◇ ◇ ◇
あまりにひどい暴言の数々には、見ているこちらも言葉を失ってしまいますね。できることなら二人三脚で取り組みたい妊活。原因や負担を相手に押し付けることなく、夫婦で支え合いながら乗り越えていきたいものですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。