もともと会社勤めをしていた名美は、出産を機に専業主婦となり、現在は2歳の娘リカを育てています。
夫の慎也は会社勤めのサラリーマンですが、最近「会社を辞めたい」「働きたくない」が口癖になっていて……。
主夫になりたい…?
毎日遅くまで働く慎也。最近はとくに疲れているようで、「サラリーマンに向いていないかも……」と嘆いていました。
名美はそんな慎也をやさしい言葉で励ましますが、「名美のほうが働く才能があると思う」と言い出し、しまいには「家事と育児くらい、俺にでも両立できる」と豪語。
どうやら、慎也は専業主婦の名美のことを甘く見ているようで、「毎日が休みみたいなもの」「仕事より絶対にラク」などと愚痴が止まりません。
そんな慎也をさとし、感謝の気持ちを伝える名美。
しかし、会社を辞めたい、ラクな主夫になりたいという慎也の気持ちは変わらないようで、名美は「そんなに会社がツライなら慎也が主夫になる?ちゃんと育児と家事をやってくれるなら、私が働くよ」と提案。
二つ返事でノリノリの慎也に、「再来週に控えている大型連休で、慎也が主夫をきちんとできたら仕事に復帰する」と条件を出しました。
幼い子どもを放置!?
2カ月後――。
突然、名美のスマホに義母からメッセージが届きます。
「あなた、今どこにいるの?どうして家にいないの?」
「お義母さん、今は職場です」
「子どもを置いて仕事とか、何を考えているの!?」
状況をつかめないまま、今は慎也が主夫になってリカを見ているということを伝える名美。
しかし、その話はなくなったと思っていた義母は、リカが家にひとりでいたことを名美に話します。
驚く名美に、家に行ったら中からリカの泣き声がして、誰も家にいなかったので窓ガラスを割って家に入ったという経緯を説明する義母。
リカは無事だったものの、自宅で娘と一緒にいるはずの慎也がいないという状況に、すぐに慎也に連絡するも既読にならず、何が起こっているのかわからないままでした。
こんな父親、いらない!
それから数時間後、ようやく慎也と連絡がつきましたが、なんと慎也は2歳の娘をひとり自宅に残し、辞めたはずの会社に復職のお願いをするため外出していたのです。
たった2歳の子どもを「数時間だから」と、ひとりきりにさせることがどれだけ危険なことなのか、慎也を問い詰める名美。
育児と家事の両立を甘く見ていた慎也は、早々に根をあげていました。
さらには、「これならまだ仕事をしていたほうがマシ……」という自分勝手な考えで、度々リカを置いて外出していたことも発覚します。
「自分の身勝手で子どもをひとりにする父親なんて必要ない」
そう吐き捨て、名美は慎也との離婚を決意します。
今では、働きながら大事なひとり娘を育てる名美。
夫とは離婚したものの、義両親が育児に協力してくれています。
悲しい経験をさせてしまった娘に、母親としてできる限りの愛情を注ぐのでした。
小さな子どもをひとり置いて外出することは、絶対に許されません。もし放置されている子どもを見かけた場合は、ためらわずに110番通報をしましょう。