義妹の結婚式に出席することになったパニ子。娘のパニ美に着物を着せ、式場に向かいました。式場には義妹夫婦のお祝いのために、煌びやかなドレスに身を包むたくさんのゲストたちが集まっています。パニ子とパニ美は結婚式が始まるのを楽しみにしていたのですが、何やら兄嫁が不満そうにしています。
「うちの娘がかわいそう!」
結婚式の会場に入ると、そこには兄嫁・サエとその娘のルカが座っていました。ルカは華やかなピンクのドレスを着ていてお姫様のよう! サエ曰く、イタリアから取り寄せたブランドものなのだそう。
しかし、ルカはなぜか泣きそうな顔をしています。パニ美を見ると「私も着物がいいー! 私が1番目立ちたいもん!」と大きな声で叫びながら、泣き出してしまいました。
するとサエは一瞬パニ子を睨み、ルカをなだめもせず「目立とうとして最低ね! 着物とドレス交換してよ! うちの娘がかわいそうだと思わないの?」と言うのです。
わけがわからず、パニ子は唖然としてしまいます。
「いくら自分の子どもがかわいいからといって、この場で着ているものを交換しろなんて……」
交換できるものならどうぞ! でもそんなことできる?
すると、これまで黙って見ているだけだったパニ美が口を開きました。
「おばさん、着付けできるの? 私がこの着物を脱いだら、だれがルカちゃんに着物を着せるの?」
もちろん着付けなどできないサエはタジタジ。
「あと私、ルカちゃんよりも背が高いからルカちゃんのドレスは着られないわよ」
「な、ならパニ美ちゃんは式場のドレスレンタルしなさいよ!」サエも折れずに応戦します。
「そうなると交換とは言わないよね? 私が式場から借りるドレスの衣装代は、おばさんが払うの? そのドレスより高くなると思うけど、お金払ってくれる?」
ルカのドレスについたままの値札に気づいていたパニ美。ルカのドレスはブランドものというのは真っ赤な嘘で、3000円で購入したペラペラの安物でした。
見栄っ張り義姉の末路
「そもそも、目立ちたいのはルカちゃんじゃなくて、おばさんでしょ? ブランドもののドレスと嘘をついて周囲にマウント取りたいだけじゃないの?」パニ美は核心を付きます。
言い返すことができないサエ。
「今日の主役は新郎新婦でしょ? 自分たちが主役だと思っているなら、勘違いもいいとこw」ド正論を言うパニ美に、会場のゲストも拍手喝采!
ちょうどそのとき、サエの夫であるパニ子の義兄が遅れて到着しました。
「あれ、まだ結婚式始まってないだろ? なんの拍手だ?」
不思議そうな義兄。一見穏やかそうに見える義兄ですが、怒ると怖いことを知っているパニ子は黙っていることにしました。
しかしルカがことの顛末を義兄に話してしまい、睨みつけられるサエ。結婚式の後、たっぷり絞られたようでした。
結婚式の主役はあくまで新郎新婦。ゲストが着飾るのは、お祝いの気持ちを込めたり、その場に華を添えたりするためだと言われています。ゲスト同士で競い合うのはまったくのお門違い! 自分の虚栄心のために着飾るのは、マナー違反ともいえますね。