ユウマとの結婚を控えたパニ子。やさしくて責任感のあるユウマにはなんの不安もありませんが、気になっているのはユウマの両親のこと。いまだに挨拶をしたことがないのです。ユウマは何か隠しているのでしょうか……。
非常識な義父母
「うちの両親は常識がないから、パニ子に迷惑をかけたら嫌なんだ」と言って、両親と会わせたがらないユウマ。それならそれでいいかと思っていた矢先、突然義父母がユウマの家にやってきて、思わぬタイミングで挨拶をすることになりました。
しかしユウマの言う通り、義父母の非常識っぷりはなかなかのもの。初対面のパニ子に年収や給料日、ボーナスの有無まで聞いてくるのです。パニ子は回答を濁しつつ、その場をやり過ごしていましたが、義父母が帰り際にユウマからお金を借りているのを見てしまいました。これは見過ごすことができません。
ユウマを問いただすと、義父母の金遣いの荒さは異常で、これまでかなりの額のお金を貸していたそう。もちろん返ってきたことなどありません。
お金をたかりにくるなら縁を切る!
しかし結婚を控えているパニ子たち。これからはお金は貸さない、二度と借りにこないでほしいと義父母に伝えます。
案の定、義父母は反発。
「誰がお前を産んで育ててやったと思ってるんだ!」
「俺と母さんは収入がないんだぞ!? 実の親に無一文になれって言うのか!?」
「もしやパニ子さん、ユウマの稼ぎをひとり占めするつもりだな!?」
と埒があきません。
もう何を言っても無駄だと思ったユウマは、両親と縁を切ることにし、電話もLINEもブロックしました。すると、義両親はユウマの家に押しかけて、ドアの前で騒ぎ出したのです。
パニ子とユウマは、結婚を機に引っ越しを決め、義両親に新たな住所は伝えませんでした。これで義父母との縁は完全に切れたと思っていたのですが……。
「孫は預かった!」「え? どういうこと?」
それから程なくして、第一子を妊娠したパニ子。義両親から解放されて、ユウマも幸せそうにしています。
義父母はユウマを探して友だちにまで電話をかけ続けているようですが、しっかり口止めしているのでバレることなく暮らしていました。
しかし出産を間近に控えたころ、パニ子に知らない番号から1本の電話がかかってきます。電話に出ると、まさかの義母! どうやら執念でパニ子の連絡先を調べ上げ、番号を変えて電話をかけてきたようでした。
「私たち、縁を切ったはずです。もう電話切りますから……」とパニ子。しかし、義母はお構いなしに話を続けます。「私たちお金がないのよ〜また貸してくれない? お金を貸してくれないなら孫はウチで育てるから。早く迎えに来なさいよ!」
しかし孫はまだパニ子のおなかの中にいます。
「『迎えに来い』ってどういうこと?」とパニ子も意味がわかりませんでした。
しかし電話の向こうにはたしかに赤ちゃんの泣いている声が聞こえます……。
それ、犯罪ですよ! 非常識な義父母の末路
「あの〜、私たちの子どもはまだ産まれていませんけど」とパニ子。
「え、じゃあこの子どこの子なの! あなたたちの家に寝ていた子よ!!」
なんと義父母はパニ子たちが元住んでいた家の窓から勝手に入り込み、そこにいた赤ちゃんを連れ去っていたのでした。
パニ子は元住んでいた家の大家さんに急いで電話をかけ、パニ子たちの後に住んだ夫婦に事情を話します。迷惑をかけて本当に申し訳ないと夫婦に謝罪したパニ子。急いで義実家に向かいました。
夫婦は捜索願いを出していたので、警察も同行します。義実家に着くと、さすがの義父母も顔面蒼白になり、うろたえていました。
警察沙汰になった義父母。引っ越し先を伝えていなかったパニ子たちのせいだと大きな声で叫んでいましたが、そんな理由がまかり通るわけがありません。他人の赤ちゃんを誘拐した罪に問われ、二度とパニ子たちの前に現れることはなくなったのでした。
お金欲しさから、信じられない行動に出た義父母。そのバイタリティがあれば、仕事をするくらい余裕なのではないかと思ってしまいますね。