パニ子は長年付き合っていたエイタと結婚式を挙げたばかり。幸せになると疑いもしなかったパニ子でしたが、エイタの幼馴染・ミナコからの連絡をきっかけに、とんでもない事態に巻き込まれるのです。
突然の告白に妻、絶句!
ミナコから連絡が入ったのは、結婚式3日後のこと。エイタ行きつけのバーに一緒に行きたいという誘いでした。
エイタを「お兄ちゃん」と慕うミナコ。せっかくなら仲良くなりたいと、パニ子はバーに一緒に行くことにしました。
お酒を飲みながらしばらく談笑していたパニ子たちでしたが、突然ミナコがとんでもないことを言い出したのです。
「酔った勢いでぶっちゃけるけど〜私お兄ちゃんのこと好きだったんだよねぇ~。お兄ちゃんが結婚する前に告白しておくべきだったな~♡」
妻の前にもかかわらず堂々と告白するミナコに、パニ子は唖然としてしまいます。エイタはというと、まんざらでもない様子。喜んでいるのがひと目でわかります。
おかげでミナコの第一印象は最悪でした。
「相談できる相手は俺しかいない」それってどういう関係?
数カ月後、パニ子の妊娠が発覚! そこからは体調が優れない日々が続き、ミナコを気に掛ける余裕はありませんでした。
しかしミナコの誘いは止まらず、頻繁に飲みに行くエイタ。ときには朝まで帰ってこないこともあり、さすがのパニ子も浮気を疑わざるを得ません。
しかしエイタは「浮気なんてしていない」の一点張り。パニ子はそれ以上問いただすのをやめ、エイタが本当に浮気していないのかこっそり探ることにしました。
油断したエイタは、出産を控えたパニ子を置いてミナコと飲みに出掛ける日々を続けます。パニ子が嫌そうな顔をすると、「あいつが相談できる相手は俺しかいないんだよ!」と得意げにしているのです。
妻が出産した日も飲みにいく夫
そんなこんなでパニ子は無事、女の子を出産しました。
その日の夜のこと。
「出産したのは奥さんだから男は暇でしょ? 飲みに行こうよ!」とミナコに呼び出され、エイタは飲みに行ってしまいました。
たしかに出産したのはパニ子で、エイタにできることはありません。しかし、大仕事を終えた夜くらいは一緒にいてほしかったと思うパニ子。こんなときにまで飲みに出掛ける父親はいりません。パニ子は離婚を決意しました。
たっぷり泳がせておいたので、証拠は十分に揃っています。
退院してしばらく経ったある日、パニ子はエイタとミナコを家に呼び出しました。
「あなたたちが不倫してることはもうわかってるから」と、証拠を突きつけてやったのです。
虚像に囚われすぎた夫の末路
「ふ、不倫なんてしてない」とごまかすエイタでしたが、ミナコは「別に私は奥さんにバレたってよかったもん!」と暴露。
「むしろ奥さんに、私たちが愛し合っていることをわからせてやりたかったから、いつも誘ってたし! 2人が言い争いして離婚してくれたら、私はお兄ちゃんと結ばれることができるもんね」
「私に不倫がバレても構わないと思ってたってことは、慰謝料は支払ってくれるのね?」とパニ子。
「もちろん! 何があっても守るってお兄ちゃん言ってくれたもんね」
自信満々なミナコに反し、エイタは気まずそうな顔をしています。
それもそのはず。エイタは慰謝料を肩代わりするほどの収入はなく、生活費のほとんどはパニ子が出していました。きっとミナコに大口を叩いていたに違いありません。
慰謝料はビタ一文まける気がないパニ子。きっちり離婚して、エイタとミナコからはきっちりと慰謝料を回収するつもりです。
頼られ、慕われることで自分に酔っていたエイタ。ミナコの前だけでは理想の自分でいられたのかもしれません。そんな虚像に依存せず自分に向き合っていれば、少しは違った未来があったのかもしれませんね。