30歳のパニ子は、同じ年の夫・ヒロヤの転勤で田舎に引っ越してきました。ヒロヤの願いに応えて仕事を辞めたパニ子でしたが、日中の時間を持て余してしまいます。そこで自転車で30分ほど離れた工場で、パートを始めたのですが……
夫の理不尽な要求に怒りが爆発!
パニ子がパートを始めてからというもの、ヒロヤは家事に対する文句ばかり言うように。「ちゃんと家のことができないならパート辞めろよ!」と暴言ばかり。
パニ子がパートから帰って急いで夕飯を作っている間も不平不満を言い、夕食後に食器を洗ったりお風呂掃除や洗濯物を取り入れたりしていても、ヒロヤは我関せず。23時にようやく一息つこうと思ったら、窓拭きや草むしりを命じてくるのです。
それどころか、「だいたい、お前は寝過ぎなんだよ! 主婦が3時間以上寝るな」とまで言い放ちます。
我慢の限界に達したパニ子は、泣きながらヒロヤの言いつけを守るふりをして、眠りにつきました。
深夜の大掃除、妻からの反撃
夜中2時、パニ子はスマホのアラームで目を覚まします。ヒロヤに言われたとおり、3時間睡眠です。そしてゴウンゴウンと洗濯機を動かし、窓を枠から外して大掃除をすることに。
あまりの音にヒロヤが「な、なにやってるんだよ! こんな夜中に!」と起きてくると、「だって、あなたが時間がないなら作れって言ったじゃない」と返すパニ子。夜通し窓を外して掃除し、掃除機と高圧洗浄機で溝の汚れを掃除しました。田舎で近所の家も一軒ずつ離れているので、どれだけ夜中に騒音をたてても近所迷惑にもなりません。
ヒロヤは青ざめた寝不足の顔で出勤しました。
白旗を挙げた夫。慰謝料を請求してきて……
それから1週間、パニ子は2時に起床し掃除を続けました。寝不足でヒロヤは疲弊し、少し痩せてしまった様子。そしてついに「も、もうやめてくれぇ! 毎日うるさくて寝られないんだよ! 静かにできないなら離婚だ!」と言いました。これがまさにパニ子が待ち望んでいた言葉。
ヒロヤはパニ子に対して睡眠妨害で慰謝料を請求してきました。パニ子が反論すると「俺が疲弊しているのは会社の人も知っている。上司にお前が2時に起きて騒音立てて睡眠妨害していることも話している。つまり、根回し済みってことさ。お前に勝ち目はないぞ」とヒロヤは言い、証言者を連れてくると言い始めました。
妻には協力者がいた
3日後、ヒロヤは上司のホンダさん夫妻を証言者として連れてきました。しかし、驚くべきことに、ホンダさんの妻はパニ子のパート仲間! ホンダさん夫妻はパニ子からヒロヤの暴言を録音した証拠を聞いており、妻が2時起きで家事をしている理由を知っていたのです。
ホンダさんは「パニ子さんが毎日2時起きで睡眠妨害してくる? 3時間しか寝るなと言ったお前の言葉を守ってるだけだろうが」「誰が妻一人も大切にできない部下を助けるもんか」とヒロヤに説教。ホンダさん夫妻の家はパニ子のパート先の近くにあったため、毎日3時間睡眠で家事をさせられていたパニ子に自宅で昼寝をさせ、夕飯の用意もしてくれていたのでした。
証言者のつもりで連れてきたホンダさんにすべてバレていると知り、みるみる青ざめるヒロヤ。
妻を見下した夫の悲惨な結末
「仕事ができないとは聞いていたけれど、社会人としてだけではなく、夫としても落第者だとはな」とホンダさんに言われ、会社にもいづらくなりヒロヤは辞表を出して実家に帰ることに。その後も仕事が見つからず大変な思いをしているそう。
一方、パニ子はヒロヤから慰謝料を受け取り、離婚成立! パート先の工場で正社員として雇用され、力強いご近所さんに助けてもらいながら充実した毎日を過ごしています。
専業主婦だからといって見下すなんて、言語道断! 傲慢なヒロヤが招いた、自業自得の結末となりました。