パニ子は夫・ツトムと2人暮らしの主婦です。決して裕福とはいえない幼少期を過ごしたツトムはとても働き者で、パニ子の家族のことも大切にしてくれる素敵な旦那様♪ 幸せいっぱいの毎日を送っていました。しかし、1本の電話で状況は一変します。
突然父の病が発覚!
ある日、父からの電話を受けたパニ子。急に何の用かと思えば、末期がんで数日前から入院していて、病院まで着替えを持って来てほしいとのことでした。
しかし妹のリエが父と一緒に実家に住んでいたはず……。なぜリエは着替えを持っていかないのかと疑問を抱きつつ、荷物をとりに実家に向かいました。
実家に行くと、リビングでくつろぐリエ。「着替えを届けるのはめんどくさい〜」と言い、動こうとしません。父に寄生して生活しているリエは、父の病状よりも今月のお小遣いがもらえるかどうかのほうが気になっている様子でした。
遺産を楽しみにしていた夫
ほどなくして、父は他界。パニ子はツトムに電話をかけ、父の訃報を告げました。
それに対し、ツトムの第一声は、
「遺産はどうなるんだ!? お前の実家大きいし土地も広いし、かなりもらえるんじゃないか? 楽しみだな!」
と、ドン引きするほどのものでした。
とはいえ、お金のことはしっかりと話し合っておく必要があります。
姉妹で相談の場を設けると、リエは「お姉ちゃんはお金があるんだから、遺産は全部ほしい」と主張。本来なら半分ずつ分けるところですが、パニ子は遺産を放棄することを決めました。思い通りになってリエは大喜びです。
遺産とともに夫も放棄
そして、その夜。ツトムは、待ちきれないと言わんばかりに、帰るなり遺産の額を聞いてきたのです。パニ子は「放棄をしたから0円だ」と伝えます。
すると、なぜか当事者ではないツトムが怒りだして「もういい! 俺、リエちゃんと結婚する!」と、荷物をまとめて家を出ていきました。
数日後、離婚届を持ってやってきたツトムは、ベッタリとくっつくリエを連れていました。状況が飲み込めないパニ子に対して「お前と結婚したのは、実家がでかくて金持ちだと思ったから」とひどい言葉を浴びせてきます。
パニ子は呆れてものも言えず、ツトムの望むがまま離婚に応じました。
妹が相続したものは…
しかし半年ほど経ったころ、ツトムから連絡が入ります。なんと父は大きな家を持っていましたが、家を手に入れるために莫大な借金を作っていたのです。リエは父の借金を知らず、すべてを相続したのでした。
父に依存して何もできない・何も持っていないリエに、遺産をアテにして仕事をやめてしまったツトム。相続してしまった以上、彼らは父の借金を返すために昼も夜も仕事をするしかありません。
日頃から父の話に耳を傾けていれば、父に借金があることがわかったはずですが、自分のことしか考えず父に寄生し続けたリエ。生前からしっかりとコミュニケーションを取っておかなかったがために、因果応報な結末を迎えたのでした。