義母との“修行”の日々が始まった
義母は当然のようにわが家へ上がり込み、「完璧な嫁になるよう教育してあげる」と言い放ちました。つわりがつらくて動くのもやっとだった私は、戸惑いながらも連日押しかけてくる義母に対応せざるを得ず、心身ともに消耗していきました。
私が疲れた顔をすると、義母は「そういう顔が見たかったのよ」「嫁いびり、楽しいわね」などと笑いながら言うのです。その発言に、私はゾッとしました。
義母が帰っていったあと、夫に助けを求めると、「悪いけど、嫁姑問題にかまってる余裕ないんだ」と冷たい反応。挙げ句の果てには「最近、おばさんっぽくなったんじゃない? 会社の若い子たちはもっと頑張ってるよ」などと心ないことまで言われ、傷つきました。
夫が長期出張へ!自ら志願した理由は…
夫との間に溝ができ、ケンカも増えたある日、夫が突然「半年間の出張に行くことになった」と言い出しました。しかも、それは夫自ら志願したとのこと。妊娠中の妻を置いて長期出張……!? 夫の身勝手な行動が信じられず、私はショックを受けました。
その後はしばらく悩みましたが、体調が安定していたこともあり、意を決して夫の出張先まで会いに行くことにした私。そのとき、ある“決定的な現場”を目撃してしまったのです。
そこには、夫と会社の同僚らしき女性が、親しげに腕を組んで歩いている姿が……。まるで恋人同士のようで、私は言葉を失いました。
最初は信じられず、しばらく夫と女性のあとを追っていましたが、楽しげにディナーをしたあと、2人はラブホテルの中へと消えていったのです。
すべてを悟った私は、夫との離婚を決意。慰謝料と、これから生まれてくる子どもの養育費を請求することにしました。
義母「夫の不倫くらい我慢しないと…」
後日、いつものように義母が家にやって来たタイミングで、私はキャリーバッグを持って玄関を出ようとしていました。義母は私の姿を見て目を丸くし、「ちょっと、どこ行くの?」と声をかけてきました。
私は静かに、「兄の家に行きます」とだけ答えました。
驚いた義母は、「妊婦がひとりで出ていくなんて、ありえないでしょ」とあきれたように言いました。
私は少し間を置いてから口を開きました。
「夫が、出張先で不倫してました。私、自分の目で見たんです」
義母は一瞬固まったものの、すぐに顔をしかめ、「だからって家出? そのくらい、妻が我慢しないと!」と返してきたのです。
私は抑えていた気持ちがあふれそうになりました。
「つわりで動けないときに押しかけてきて、“嫁いびり楽しい”って言いましたよね。夫は冷たいし、不倫までしてて……それでも私が耐えなきゃいけないんですか?」
ちょうどそのとき、タイミングを見計らったように、玄関先に義父が現れました。
義父が夫を呼び戻し、離婚へ
実は、義母の言動や夫の不倫について、義父に相談していた私。義父は話を聞いた上で、この日に合わせて来てくれていたのです。
義父は無言で義母を見つめ、そして静かに言いました。
「……お前、妊娠中の◯◯さん(私)に何してるんだよ」
「親子そろって最低だな。今すぐ謝りなさい」
義母は押し黙り、その場に立ち尽くしていました。
しばらく沈黙が続いたあと、うつむいた義母が絞り出すような声で「……ごめんなさい」とつぶやくのが、かすかに聞こえました。
さらに、義父は出張中の夫にも連絡を入れ、「一度戻ってこい」と強く言ってくれました。
渋々戻ってきた夫に対し、義父は静かに、けれどはっきりと叱ってくれました。
「家庭を放り出して不倫して、今さら何を言っても遅い。自分のしたことに責任を取れ」
夫は何も言い返せず、下を向いたままでした。
その後、私は夫との離婚を正式に進めることになり、弁護士を通じて慰謝料と養育費を請求しました。
会社にも状況を報告した結果、夫は不倫相手とともに自主退職。不倫相手とはすぐに関係も終わったようです。
私は兄の家に引っ越し、無事に娘を出産。職場にもリモートで復帰し、兄の協力を得ながら子育てと仕事を両立させています。
そして今も月に1度、義父の家に娘を連れて顔を出しています。義父には本当に助けられました。これからも、家族で娘の成長を見守っていきたいと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。