跡継ぎプレッシャーと義母の冷たい言葉
義母は厳しい性格の人で、妊娠を伝えたときも「女将がつわりで寝込むなんて聞いたことないわよ」と言われ、休むこともままならず……。私はつらい気持ちをぐっと飲み込みながら、「赤ちゃんが生まれたら、少しは認めてもらえるかもしれない」と思っていました。
ところが、ある日の健診でおなかの子が「女の子かもしれない」と言われた途端、義母の態度はさらに冷たくなりました。
「女の子じゃ家は継げないわね……」
「あなたの年齢を考えると、次の子を望むのも難しいでしょうしね」
私なりに「最近は女性でも料亭を継いでいるところもあります」と説明しても、聞き入れてもらえませんでした。
出産後、夫の心ない言葉に絶望
追い打ちをかけるように、夫まで「あーガッカリ。もっと若い嫁さんをもらえばよかったわ」などと言い出しました。心身ともに限界を感じた私は、出産に備えて実家へ里帰りすることにしました。
実家で無事に出産を終え、夫に連絡すると、返ってきたのは「ふーん、で?」というそっけない返事。
さらに数日後、「実家にプレゼントを送った」と言われ、届いたのはなんと記入済みの離婚届でした。
さすがに怒りがこみ上げ、私は夫との関係を見直す決意をしました。
跡継ぎは他で作る!?衝撃の発言
退院して数週間後、私は赤ちゃんを抱いて一度自宅へ戻りました。
直接顔を見て、私の口から伝えたいことがあったからです。
そんな私に、夫は開口一番こう言いました。
「なんで戻ってきたの? 離婚届、送っただろ?」
「100万円やるから離婚してくれよ。跡継ぎは他で作るつもりだからさ!」
赤ちゃんを腕に抱いたまま、私は夫の顔をしばらく見つめていました。
その場には義両親もいましたが、もう私や孫には興味がない様子で黙ったまま。
怒りも悲しみも通り越して、ただただあきれてしまって――その場でこう告げました。
「そうなんだ……じゃあ一つだけ、伝えておくね。
生まれたの、男の子だったよ。エコーでは女の子かもって言われてたけど、実際は男の子だったの」
手のひら返しにあきれる私
その瞬間、夫と義両親の表情が固まりました。
「えっ……ちょっと、それ本当なの?」「男の子……!?」
「それなら話は別だな」「離婚はいったん保留にしようか」
「やっぱり血を継ぐ子じゃないとね!」
さっきまで私たちを“いらない存在”のように扱っていた3人が、まるでスイッチを切り替えたように態度を変えてきたのです。
私は赤ちゃんを見つめたまま、静かに言いました。
「……そんな人たちと一緒に暮らすつもりは、もうないよ」
夫と義母が戸惑った表情を浮かべるのを見届けてから、私はゆっくりと最後の一言を放ちました。
最後に告げた“本当の別れ”
「離婚届? ……あれ、もう提出したから。とっくにね」
夫と義両親は一瞬凍りつき、そのあとで一斉に怒鳴り出しました。
「ふざけるな! 勝手なことして!」
「跡継ぎを奪う気!?」
私は一歩も引かず、静かに言いました。
「今日のお話、すべて録音しています。100万円払うから離婚してくれって言いましたよね? 弁護士に相談済みですので、今後の連絡は弁護士を通してください」
夫と義両親は顔面蒼白で固まり、それ以上何も言ってこなかったので、私は息子とともに、その場をあとにしました。
その後、弁護士を通して慰謝料と養育費をきっちり支払ってもらいました。
私は実家で息子と穏やかな日々を過ごしながら、命の大切さと、周囲に振り回されない強さを少しずつ取り戻しています。
性別にとらわれず、赤ちゃんの誕生を心から祝福できるような大人でありたいものですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
そんな調子じゃ新しい嫁が来ないどころか、その前に潰れるかな??