新しくやってきた上司に問題あり!?
最近、職場のスーパーに新しい上司が着任しました。この上司が、とにかくパート社員を見下すタイプで、いつも来てくれる常連さんとあいさつ程度の会話をしていただけで、「私語厳禁!」と厳しく注意されます。
「お客様とのコミュニケーションも大事ではないでしょうか」と伝えてみたところ、「パートが口を出すな!」と一蹴。それ以降、職場の雰囲気は一気に悪くなり、辞めていく人も増えていったのです。私自身もストレスがたまりつつも、なんとか仕事を続けていました。
授業参観を理由に休むのはNG!?
ある日、娘の授業参観があったため、前もって休みを申請していた私。ところが、念のため当日の朝に連絡を入れると、電話口で上司が激昂。
「授業参観!? そんな理由で休むな!」と怒鳴られたのです。
私は一瞬言葉を失いましたが、「では、退職させていただきます」と返答。やむを得ず、長年勤めた職場を辞めることになりました。
退職後、職場の同僚たちからは心配の連絡が相次ぎました。中には「やめないでほしい」と上司に掛け合ってくれた人もいたようで、その気持ちが本当にありがたかったです。
数日後、近所で買い物をしていると、スーパーの常連さんに声をかけられました。私が退職したことを伝えると、「もしかして、例の上司が原因?」と聞かれ、「え、どうしてそれを……?」と驚きました。
その方は穏やかで感じの良い男性だったのですが、どこか含みのある表情をしていて、少しだけ気になりました。
1カ月後、上司が突然わが家に…
退職してから1カ月ほど経ったころのこと。突然、あの上司が真っ青な顔でわが家を訪ねてきました。
「本当に申し訳ありませんでした! どうか戻ってきてください……!」
どうやら私が辞めてから、他のパートの人たちも次々に退職したり、勤務日を減らしたりして、お店が回らなくなったとのこと。さらに、このような店舗の状況が本社に伝わり、上司は厳重注意を受けたそうです。
私はすぐに「戻ります」とは言えませんでした。あれだけひどい扱いをされてきたのに、今さら何を……という気持ちもありました。
それでも、辞めたあとに心配してくれた同僚たちや、顔なじみのお客さんの存在を思い出し、「もう一度あのお店で働きたい」と思うようになりました。
そして私は、復帰を決めたのです。
常連さんの“正体”と、まさかのオファー
後日、私がスーパーを訪れると、なんと先日声をかけてくれた常連さんが本社のエリアマネージャーであることが判明。定期的に店舗を巡回し、現場の様子を見ていたそうで、私の働きぶりもずっと見ていてくれていたのだとか。
そして、「ぜひ戻ってほしい。もしよければ、正社員として……」と声をかけてくれたのです。
突然のことに驚きましたが、家族と相談したうえで前向きに受け止め、私は正社員として新たな一歩を踏み出すことにしました。
一方、あの上司は管理不行き届きを問われ、別店舗への異動が決まったそうです。
人を大切にしない職場では、人が離れていくのは当然のこと。現場で働くスタッフ一人ひとりが尊重される環境こそ、長く続けられる職場なのだと、今回の件で改めて実感しました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。