フリーのイラストレーターとして働くパニ子は27歳。子どものころからの夢を叶え、最近やっと独立しました。恋人のタクヤとも結婚し、まさに順風満帆な人生です。しかし、新婚旅行直後にその人生にも陰りが見えて……?
悪夢の始まり! 新婚旅行から帰ると…
新婚旅行から帰る飛行機の中、パニ子とタクヤは明日から始まる新生活について話していました。
「小遣いくらいは稼いでくれたら助かるけど、のんびりやればいいよ」とタクヤ。どうやらパニ子の仕事を趣味の延長程度に考えているのかもしれません。仕事を軽く見られているのは心外でしたが、タクヤはパニ子を養おうと意気込んでいるだけ……。パニ子はただただ頼もしく思っていました。
空港に着いてすぐ、タクヤは実家にお土産を渡しに行くと言います。パニ子は新居への引っ越しも控えているので早々に帰りたいと思っていたのですが、すでに実家には連絡済み。食事も用意しているというので断るわけにはいきませんでした。
嬉しくないサプライズ
義実家に到着すると「今日からよろしくね! 私たち一緒に暮らすのよ」と義母。義父も「サプラ〜イズ!」と笑っていました。何も聞かされていないパニ子はビックリ! タクヤを問い詰めると「だって、パニ子に言ったら絶対に反対しただろう?」と悪びれない様子。新居として借りていたマンションはパニ子の知らないところで解約されていたのです。
あまりに勝手な振る舞いにパニ子は腹を立てましたが、その様子を見たタクヤは、急に声を荒らげて「嫌なら出て行け! 一家の長は俺だ!」とまさかの逆ギレ……。パニ子はタクヤの意外な一面を見て「離婚」の文字がちらつくほどショックを受けてしまいました。
しかし「タクヤが好きで一緒にいたい」と思ったパニ子は、同居を了承することにしました。ただし、同居にはルールが必須。最低限の取り決めをして、ルールを破ったときのための保険として、タクヤには離婚届にもサインをしてもらいました。
夫と姑が手のひらを返したワケ
しかしあっという間にルールは忘れ去られてしまいます。家事はほとんどパニ子に押し付けられ義母は遊びに出掛けてばかり……。在宅でできる仕事といえど、手が回りません。
そこでタクヤに「同居のルールが守られていないから同居を解消する」と宣言。しかし「稼いでいない奴が家事をしろ」と一蹴されてしまいます。離婚届を出すと言っても「どうせ、お前の稼ぎじゃ暮らしていけないだろ〜?」と笑っている始末。
……もう黙っていられません。パニ子はタクヤより自分のほうが給料がいいことを伝え、ついでに通帳も突き付けてやりました。タクヤと義両親はビックリして、急に態度を変えてきましたが、そんなことはもうどうでもいいのです。同居のルールを作る際にかいてもらった離婚届に自分も記入し、提出。1カ月足らずと、短い結婚生活でした。
タクヤからは「不意打ちみたいなことをするな」と責められましたが、最初に不意打ちをしてきたのはタクヤのほうなので、そんな風に言われる筋合いはありません。最愛の夫に最低なサプライズを仕掛けられたパニ子。しかし深入りする前に縁を切れたのは不幸中の幸いと言えるでしょう。
夫婦のことはふたりで話し合って決めるもの。勝手に決めたり、稼ぎや立場で決定権を握ったりするのは褒められたものではありませんね。それぞれの意見を尊重し、納得の上決定したいものです。