パニ子は30歳のパート主婦。夫のハルキと7歳の娘パニ美と幸せに暮らしています。しかし近所に義母が住んでおり、パニ子は彼女の嫁いびりに頭を悩ませていました。最近はパニ子の料理にケチをつけることがブームのようで……?
高級なものしか認めない義母
ある日の夕食の時間、義母がパニ子の家にいきなりやって来ました。パニ子の料理を貧乏くさいと言って馬鹿にし、高級志向を押し付けてきます。しかし、パニ子にもパニ子なりの考えがあるのです。安い食材でも十分おいしいし、パニ美の将来に向けて貯金も必要なので、パニ子は節約を心がけています。
そんなこともお構いなしに、「スーパーの安い食材はやめなさい」と言い続ける義母。彼女は高いものはおいしい食べ物だと考えているので、安い食材をおいしく調理するというパニ子のやり方がどうしても受け入れられないのです。
お弁当を作ったはずが?!
事件が起きたのは、パニ美の運動会のこと。パニ子は朝4時から起きて、腕によりをかけてお弁当を完成させました。起きてきたパニ美は、それを見て大喜び! 元気よく出かけていきました。
その後、パニ子はハルキと義両親とともに運動会を見に、学校へ。昼食の時間にパニ子がお弁当を用意しようとすると、義母が重箱を鞄から取り出しています。
「あれ、うちの重箱ってこんな柄だっけ…?」
嫌な予感がしたパニ子。お弁当の蓋が開けられると、嫌な予感は確信に変わります。そこにあったのは、パニ子の作ったお弁当ではなかったのです。
「あなたの作ったものは貧乏くさいから捨てたわよ」と平然と言う義母。有名な料亭から取り寄せた高級なお弁当を前に自慢げにしています。一方パニ美は、楽しみにしていたパニ子のお弁当がなくなってショックを受けている様子。
「お弁当を捨てるなんて……」怒りを抑えながらも義母に物申そうとしていたパニ子でしたが、一瞬先にパニ美が「こんな料理食べたくない! ママの手作り料理が食べたかったのに……。バアバ、ひどいよ!」と言って義母を非難したのです。
「高級」だけが価値ではない!
パニ美の発言をきっかけに、ハルキも義母を怒ります。実はパニ子は家族においしいものを食べさせたいと思って家庭菜園をしており、お弁当に使った野菜はどれもパニ子が愛情込めて育てたものばかり。それを知っていたパニ美とハルキは義母の行動が許せませんでした。
さらに、いつもは温厚な義父も加勢します。みんなに責められて意気消沈した義母は、逃げるように学校を後にしました。その後、義父がパニ子の作ったお弁当を義母に見つからないよう隠していたことが判明! みんなでお弁当を食べて楽しいひとときを過ごしたのでした。
義父は今回のことで我慢の限界を超えてしまい、義母と離婚することに。義母は家を追い出され、貧しい生活を送っているようです。
高いものが必ずしも良いものだとは限りませんよね。安くても心のこもったものには、その分価値があるものです。