妻よりも異性の友だちを優先?
土曜の午後、珍しく夫が家にいたので「今夜はどこか食べに行こうか」と私が言うと、ちょうど夫のスマホに電話が。夫の友人であるA美さんからの連絡で、「これから飲まない?」という誘いだったようです。私に確認もせず、「いいね!すぐ行く!」と返事をする夫。
私が黙って見ていると、夫は「ごめん、急だけど飲みに行ってくるわ。A美は本当にサバサバしてて、男友だちみたいな感じなんだよ」と言いました。
結婚したばかりの夫を夜に誘うA美さんにも、それを当たり前のように受け入れる夫にも、正直良い気はしません。でも、ここで「行かないで」と言うのは、束縛する妻みたいで嫌でした。私は「わかった。気をつけてね」とだけ返しました。
しかしその日、いつもなら終電で帰ってくるはずの夫が帰ってこなかったのです。
「ただの友だち」という言葉への違和感
終電の時間を過ぎても、夫からの連絡は一切ありませんでした。何度電話しても、夫は出ません。事故にでも遭ったのか、それともA美さんとまだ一緒にいるのか……。悪い想像ばかりしてしまい、ほとんど眠れませんでした。
夫が帰ってきたのは、翌朝の10時過ぎ。
「ごめん、A美の家で飲んでたら寝ちゃってた」と、悪びれない様子で言う夫を見て、私の中で何かが切れました。
「結婚しているのに、他の女性の家に泊まるのはおかしいよ」
たまっていた不満をぶつけると、夫は心外だという顔で言い返してきました。
「ただの友だちだって。男女が二人きりになったら、すぐ浮気を疑うの? そういうの、心が狭いと思うよ」
さらには、「お前は男友だちが少ないからわからないかもしれないけど、男女の友情はあるんだよ。結婚したからって友だち付き合いをやめろって言うの? 最低だな」と、私が悪いかのような口ぶりでした。
その言葉に深く傷ついた私でしたが、このまま夫にだけ好き勝手させるのもモヤモヤするため、ある作戦を実行することに。
私も「男友だち」に会うことにした
あれ以来調子に乗った夫は、度々A美さんの家に泊まるようになっていました。その日も夫はA美さんと飲みに行くというので、「私も今日はB太と飲みに行くんだ♪」と返します。
夫は「飲みに行くような男友だちなんていたっけ?」と動揺した様子。私は「いるに決まってるじゃん! 結婚したから誘いを断っていたけど、よくよく考えたら結婚したからって男友だちと距離置くことないもんね?」と言い返します。
実は、B太という男友だちは存在しません。飲みに出かける相手は女友だちのC奈。夫に私の気持ちをわかってほしくて、それ以来、私はいろいろな男性の名前を出して外出するようにしました。1カ月ほど続けていると、あからさまに嫌な顔をし始めた夫。しかし、男女の友情について熱く語っていた手前、ダメとは言えないようです。
そのくせ、夫自身もA美さんとの飲み会をやめる素振りはありません。夫にはどうしてもA美さんに会わずにはいられない理由があるようです……。その答えはSNSにありました。
きっかけはSNS!夫の不倫が確定
ある日、夫のSNSのフォロー一覧にA美さんのアカウントはないかを探してみると、簡単に見つかりました。A美さんのアカウントは誰でも見られる公開状態になっています。
そこには、夫らしき男性の姿が写り込んだ写真がいくつも投稿されていました。顔は写っていないものの、服装や持ち物が明らかに夫のもので、投稿された日付も夫がA美さんと会っていた日やその翌日。
二人の距離感はまるで恋人同士のようで、投稿文にも「大切な人♡」「大好き♡」などの文字が並んでいます。このとき、私は二人が不倫関係にあることを確信しました。
さらにSNSを遡ると、二人がよく行く飲食店がいくつか特定できました。毎週金曜の夜に必ず行く定食屋、土曜の夜に飲みに行くバー、といった具合に。私はその情報をもとに、不倫の証拠を押さえるための作戦を立てたのです。
そして、決行の金曜日。その日の朝、出勤の準備をしながら夫が「今日、仕事のあとA美と飲んでくるわ」と言いました。それを待っていたかのように、私は「そうなんだ。私も今日はB太と飲む約束だから、そのまま泊めてもらうね」と返しました。
夫は少し驚いた顔をしましたが、何も言わずに家を出ていきました。そして仕事が終わるころ、案の定、夫から「俺も今日は遅くなりそうだし、A美の家に泊まるわ」とメッセージが。これで、夫が今夜、家に帰らないことがはっきりしました。
「友だち」では済まされない現実
仕事の後、私はC奈の協力を得て、夫とA美さんが通っている定食屋の近くで待機していました。しばらくすると、タクシーから降りてきた夫とA美さんが、笑いながら店に入っていくのが見えました。私とC奈は定食屋の入り口が見えるカフェに入り、彼らが店を出るのを待つことに。
夕食を済ませた二人が店から出てきて、楽しそうに話しながら、ゆっくりと歩き始めます。私たちは二人から少し距離を置いて、静かに尾行しました。
しばらく歩いた後、繁華街にあるラブホテルの前で立ち止まり、親しげに寄り添いながら中へ入っていく二人。私はその様子をしっかり写真に収め、C奈は動画を撮影してくれました。
証拠を突きつけ、夫に制裁を!
翌朝、私はC奈の家から帰宅。夫は昼前にようやく帰ってきました。
「おかえり。A美さんのお家、楽しかった?」
私が静かにそう言うと、夫は「だから、ただの友だちだって言ってるだろ!」と苛立ったように返しました。そして、「お前だって男の家に泊まってただろ!」と、私を責め始めました。
私は、スマホの画面を夫に向けました。そこには、昨夜C奈の家で撮った写真が写っています。
「私が泊まったのはC奈の家だよ。B太なんて男友だちはいない!」
そして続けて、保存しておいたA美さんのSNSのスクリーンショット、そして昨夜、二人がラブホテルに入っていく写真や動画を見せました。
「『友だち』とラブホテルに入るのっておかしいよね? 私が知らないところで、恋人ごっこを楽しんでいたみたいだけど……。ちゃんと責任を果たしてから、堂々と恋人になったら?」
夫は言葉を失い、顔を青くしていました。その後も、「いや、俺は友だちとしか思ってないし……」などと意味のわからない言い訳のようなことを繰り返しうなだれていましたが、私の中ではもう離婚一択です。
後日、私は弁護士に依頼して離婚と慰謝料の請求について話し合いを進め、無事に離婚が成立。その後、夫とA美さんがどうなったのか詳しいことは知りませんが、A美さんのSNSアカウントからは投稿がすべて削除されていたので、二人の「友だち」関係も破綻したのかもしれません。
つらい経験でしたが、自分のために、これでよかったのだと思っています。これからは、もっと自分を大切にできるような人生を送りたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。