育児を終え、再び社会へ
25歳で結婚し、子育て中心の生活を続けてきた私。子どもたちが全員独立し、時間に余裕ができたことで、「第2の人生をスタートさせたい」という気持ちが芽生えました。昔から本や言葉に関わる仕事に憧れていたこともあり、出版社での仕事に挑戦することにしたのです。
そこは知人が働いている会社だったこともあり、安心して面接に向かったのですが──。面接室で出迎えたのは、40代くらいの男性社員。私を一目見るなり、驚いたような顔をしました。
「うちはエリートしか雇わないんですよ」
名刺を渡された男性社員は、私の履歴書をざっと見て、苦笑いを浮かべました。「高卒でずっと専業主婦だった方なんですね。うちは基本的に大卒以上の方を採用しているんですよ」と、やや見下したような口調。
たしかに私は特別な経歴ではありません。けれど、資格取得が趣味で、漢字検定や語学関連の資格を複数持っていました。それでも彼は「パートとはいえ、もう少し“学歴のある人”に来てほしかった」とつぶやき、正直ショックでした。
それでも、負けたくなかった
私は気を取り直し、「もしよろしければ実務テストなどで判断していただけませんか?」と伝えました。
すると男性社員は机の上から1冊の英語の書籍を手に取り、「では、これを読んでみてください」と差し出してきました。
本を手に取った瞬間、私は思わず目を見開きました。というのも、それは以前、私が翻訳ボランティアとして携わったことのある本だったのです。まさかここで再び出会うとは思わず、胸の奥が少しざわつきました。
内容をよく覚えていた私は、落ち着いて本文を読み上げ、簡潔に要約を説明。すると男性社員は、最初の態度がウソのように目を丸くして、「……すごいですね」と小さくつぶやきました。ほんの少し、空気が変わった瞬間でした。
その後の展開
ちょうどそのとき、紹介してくれた知人が面接室に入ってきて状況を把握。「彼女は昔から勉強熱心で、私が信頼している人です」とフォローしてくれたおかげで、面接は和やかに終了しました。
後日、無事に採用の連絡をいただき、現在は校正や翻訳サポートの仕事をしています。当時は悔しい思いもありましたが、自分の努力や経験を信じて挑戦してよかったと思っています。
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就職の場では、学歴や年齢だけで判断されることも少なくありません。けれど、本当の実力は書類だけではわからないもの。人生経験や努力が思わぬ形で評価されることもあるのだと、実感できる体験でしたね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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