娘・パニ美が幼稚園に入園したことをきっかけにパートに行き始めたパニ子。パニ美の教育費のためならと節約も頑張っています。しかし、夫・タケシのある提案でパニ子の貯金計画はなし崩しに……。
義母への仕送り
「不景気で給料が減っている母さんに毎月5万円援助したい」
ひとりで暮らす義母への仕送りを提案したタケシ。5万円といえばパニ子のひと月のパート代……。正直かなりの痛手です。
義母には義父の残した遺産もあるし、まだまだフルで仕事をしていたはず……。「なんでそんなにお金が必要なのか?」「遺産があるから悠々自適だと聞いていた」と、パニ子が援助をためらっていると「母さんが困ってるんだぞ! 四の五の言わずにパニ子が上手くやり繰りしろよ!」と言って、タケシは強引に援助を決めてしまいました。
母親思いは夫の良いところだけど…
さらに、タケシは心配なのか時々1人で義母に会いに実家に帰るようになりました。やさしいところがタケシの良いところなのですが、最近あまりに頻繁で、義母の体調でも悪いのかと心配になってしまいます。
とはいえ、義母の家に行くにはそれなりに交通費もかかるし、手土産代もバカになりません。パニ美の将来のためにせっせと節約しても出費ばかり……。
マイナス続きの家計に不安が募るパニ子でしたが、ひとり暮らしの義母を心配するタケシには強く言うことが出来ません。家計は苦しくなるけれど、義母のためならとパニ子は腹を括ったのです。
義母は非常識? 仕送りのお礼がない
こうして毎月の仕送り生活が始まったのですが、パニ子にはひとつモヤモヤすることが……。仕送りを始めて数カ月経っても、義母からのお礼の連絡は一切なし。パートを増やし、生活費を切り詰めているのに、なんだかやりきれない気持ちになってしまいます。
こちらからお礼を催促するわけにはいかず、ついに1年が経ったところで、義母から電話が入ります。
いつも穏やかな義母の口調がきついことに気づいたパニ子。何を言われるか身構えていると「私1年近く仕送りしているわよね? 催促するワケじゃないけど、お礼の電話くらい入れるのが筋じゃない?」と義母。そこから先は言いにくそうに、あなたの義母として常識を教えるべきかと思って、思い切って電話したと言います。
まさかの展開に頭が真っ白になるパニ子。義母から詳しく話を聞くと、この1年間パニ子たちに月5万円の仕送りをしていたそう。もちろんパニ子たちからの仕送りは受け取っていませんでした。
さらに、毎週のように実家に出かけていたはずのタケシは、もう半年以上実家に顔を出していなかったよう。パニ子はようやく事態を把握しました。
家族を騙していたのは…
タケシは妻と娘に節約させ、母親を騙してまで、自分は合計10万も懐に入れていたのです。パニ子は仕返しをするために真実を突き止めることにしました。
次の給料日。当たり前のようにお金をせびるタケシに、パニ子は「お義母さんからの5万円も預かってるから10万円ね!」と爆弾投下! びっくりしたタケシはそのまま固まってしまいます。
義母からの電話を切ってすぐさま浮気調査を依頼したパニ子。タケシには不倫相手がいること、実家に行くと言って不倫相手の家に入り浸っていることは把握済みです。その上タケシは、パニ子と義母から巻き上げたお金でこと足りず、借金までして不倫相手に入れ込んでいたのでした。
義母にも報告し、仕返しの準備もバッチリ整っています。「ほんの出来心だった」というタケシを許すワケもなく、パニ子は慰謝料と養育費を請求して離婚。義母にも縁を切られたようでした。借金地獄に陥ったタケシは不倫相手にも早々に振られ、今ではひとり淋しく暮らしているようです。
母親思いを装って妻を騙していたタケシ。ひとり暮らしの母親をダシにされては、疑うことも拒否することもできませんよね。家族に縁を切られひとりぼっちになったのは自業自得と言えるでしょう。