クタクタの中、まさかのごはん抜き!?
双子の出産時、計画自然分娩でしたが、帝王切開になる可能性もあり、朝から出産までは絶飲食でした。私が出産した大学病院では、20時までに分娩室から病室に戻ることができれば病院の夕食が食べられるとのことで、18時前に2人目を出産した直後に助産師さんから「夕食に間に合うよ!」と言われていました。ほぼ24時間何も食べずに出産したので、私はおなかがペコペコ。
しかし、出産後の出血が多く、分娩室から病室に戻ることができず……。結局、病室に戻ったのは23時ごろ。助産師さんから「遅くなって夕食が出せないんだけど、何か食べられるもの持ってきてる?」と聞かれましたが、「ないですが、大丈夫です!」と伝えました。
コロナ禍で立ち会いや面会ができないため差し入れもしてもらえず、「明日の朝までごはんがないのか……」と残念な気持ちになりました。
母に持たされた荷物を開けて思わず喜びが…
入院バッグの中から洗面用具を出そうとすると、ある袋が目につきました。入院前日の夜、母に「あったら便利なものってあるかな」と話しながら準備をしていたときに、「荷物になるけど、一応持って行きなさい」と渡してくれたものでした。
袋を開けるとパンが2つと少しのおやつが! 私は出産の疲れから、パンを持ってきていることを忘れていました。「荷物になるし、どうせ食べないからいらないよ」と思いながらも、母がせっかく用意してくれたからと入院バッグに入れておいたのです。
そして夜中にパンを食べながら、コロナ禍でひとりで臨んだ出産を、母がねぎらってくれているような気持ちになりました。
私は入院中の着替えなどの用意や一緒に連れて帰る子どもの準備、出産のことで頭がいっぱいになっていました。小さなことですが、自分では気づかないことに助言をもらえたので、母と一緒に入院準備をしてよかったと思いました。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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監修/助産師 松田玲子
イラスト/森田家
著者:やまぐち さき
4歳の女の子、2歳男女の双子、夫との5人暮らし。子宮内膜症からの手術、不妊治療を乗り越えて育児中。闘病や不妊治療、双子の出産・育児の経験をもとにライターとして活動中。