仕事人間だったパニ子がマサキと結婚したのは2年前のこと。猛アプローチに射抜かれて、今では結婚して良かったと心から思っています。しかし、子どもを授かれないことに悩む日々……。義母から毎日のように言われる「孫はまだか!?」攻撃にうんざりし始めていました。
夫婦の営みにまで口をだす義母
結婚した当初はやさしい人だと思っていたのに、最近では「昨日は夫婦の営み、ちゃんとあったの!?」とズケズケ聞いてくる義母。あまりのしつこさに痺れを切らし、パニ子とマサキは病院で検査を受けました。
検査をしてわかったのは、2人とも子どもができにくい体という事実……。落ち込むパニ子に追い打ちをかけたのは、またしても義母。「マサキはパニ子さんから与えられているストレスのせいで子どもができにくい」「子どもが欲しいならマサキにもっとやさしくしろ」と、すべてパニ子のせいにしたのです。
不倫したのはお前のせい
子どもが欲しかったパニ子とマサキは不妊治療を始めましたが、早々にマサキが諦めモードに……。義母に影響を受けたのか、自分が不妊と診断を受けたのはパニ子がプレッシャーをかけたせいだと言うようになりました。
病院の予約をドタキャンして度々遊びに行くようになったマサキ。無理やり治療をしてもしょうがないと考えたパニ子は、しばらくマサキを自由にすることにしました。
しかしある日の昼下がり、突然帰ってきたマサキは、同僚のツトム・その妻・ルミと一緒に立っていました。
「パニ子さん…この2人、不倫してるんです!」ツトムは怒鳴ります。
不妊治療のストレスをルミに癒してもらっていたというマサキ。対するルミも、ツトムが仕事で忙しくしている寂しさをマサキに埋めてもらったと話します。デレデレしている2人を見て一気に愛情がなくなったパニ子は、離婚を決意しました。もちろん慰謝料もきっちり請求します。
元夫との再会
離婚から3年後、パニ子は病院の産婦人科でマサキとバッタリ! 風の便りでルミと再婚したことや慰謝料の支払いでヒーヒーしていることは耳にしています。
マサキはあからさまに嫌そうな顔をして「お前もしかしてまた不妊治療か!? 金のムダだな! やめとけ!」と最低なことを言います。
しかし勘違いしているのはマサキのほう。病院の奥からやってきたツトムを見て、驚いています。ツトムの腕に抱かれているのはパニ子とツトムの子ども。離婚後、2人は縁あって結婚したのです。
「お前、不妊症だろ!? どうして ……」とマサキ。実はパニ子は若いときにワケあって卵子凍結をしていて、ツトムと不妊治療を始めてすぐに子どもを授かることができました。
元夫と不倫相手が繰り広げる地獄絵図
悔しそうにパニ子を見つめるマサキ。すると向こうから聞き馴染みのあるネチネチした声が聞こえてきました。声の主は義母。なかなか子どもができないルミをしつこく責めています。あれから3年、いまだに孫を抱けていない義母の嫌味は明らかにレベルアップしています。
パニ子に子どもができたのが悔しかったのか、マサキもルミを責め始めます。子どもができない原因をなすりつけ合う夫婦に、嫁を責める姑。まるで地獄絵図のような光景が目の前で繰り広げられていました。
夫に不倫されたことは少なからずショックでしたが、自分は地獄絵図の一員にならずにすんで心底安堵したパニ子でした。
できることなら支え合いながら取り組みたい不妊治療。原因や負担を押し付けることなく、乗り越えていきたいものですね。