パニ子は小学4年生の女の子。小さいころに父親が病死し、母と2人で古いアパートに住んでいます。裕福な家庭ではないけれど、母に愛されてとても幸せな日々。しかし、同級生の中には「貧乏でかわいそう〜」とバカにしてくる子もいるのです。
母子家庭を見下す同級生親子
特にクラスメイトのアキナは、自分がお金持ちだと自慢して、パニ子に嫌味ばかり言ってきます。パニ子が母と激安スーパーに行った帰り、アキナとその母・ヨシエと遭遇。
するとアキナが「ねぇママ見てよ! 言ったでしょう? この子、貧乏なの」と聞こえるように言ってきて、ヨシエも「あらあら、かわいそうねぇ。あなたは絶対にこんなふうになっちゃダメよ!」と返します。
そしてヨシエはパニ子の母に「来週の参観日、全国作文コンクールの結果が発表されるみたいね。楽しみねぇ~♪ まっ、どうせうちの子が受賞するのは決まりきったことですから、あなたは何の楽しみもないでしょうけどぉ~」と高笑いしながら去って行きました。
パニ子は嫌な気分になったものの、母は何も気にしていない様子で穏やか。パニ子はどうして母が平気な顔でいられるのかが不思議でたまりませんでした。
コンクールの結果を聞き、顔面蒼白の金持ちママ
そして参観日当日、全国作文コンクールの結果発表の前に、子どもたちは1人ずつ「将来、私がなりたい大人」というテーマの作文を読み上げることに。そしてパニ子の番がやってくると、ヨシエが「こんな貧乏人の発表より、先に私の娘の発表を聞かせて欲しいんですけど!」と騒ぎ始めました。そして「だってこの子、母子家庭よ。貧乏人は教育レベルが低いの!」言ってきたのです。
担任の先生はヨシエを制し、「本当は先入観なしに、子どもたちの作文を保護者のみなさんに聞いてもらいたかったのですが、先に結果から皆さんにお知らせします。パニ子ちゃんが全国作文コンクールで優勝しました!」と伝えました。アキナが優勝だと信じて疑わないヨシエは「そんなはずあるわけないじゃない!」と大暴れ!
金持ちママを諭す、シンママ
そんなヨシエに、パニ子の母は
「毎日一緒に暮らしていて、あなたは自分の娘の何を見てきたんだか。娘さん、あなたにそっくりよ。人を見下して、相手の気持ちを考えることもなく、口から出るのはお金の事ばかり」
「お金なんて平和に暮らしていくだけあれば十分さ。大切なのは自分の大切な人が笑顔でいられる環境を守ること。キラキラしたものを毎日着なくても、みんなが持っていないものばかりを持っていても、何の意味もないんだよ。親にとっての幸せってのはね、子どもが毎日一生懸命頑張る姿を見ることさ」と諭します。
「母のような人になりたい」と娘
そして、パニ子が優勝した作文を発表することに。その内容はパニ子が尊敬する母の姿について書いたものでした。「母は他者への思いやりを持ち、弱い人を助け、困難な状況でも前向きな気持ちを忘れない女性です。人の良いところに常に目を向けようとしてくれます。私も、母のように器の大きな人になりたいです」と発表すると、みんなから大きな拍手が送られました。
怒って帰ろうとするヨシエに、パニ子の母は「今日、自分の娘とちゃんと向き合いな!あんたの子ども時代はもう過ぎたんだ。あんたの好みや考え方を押し付けちゃいけないんだよ」と伝えました。
親子の変化
参観日からの帰り道、母はパニ子に「大人だって子どもと同じで間違えることだってあるんだよ。それに気がついたとき、そこからどうするかが大切なんだ」と伝えました。
その翌日、なんとアキナは学校でパニ子にこれまでの行動を謝罪してきました。そして放課後、ヨシエは夫とアキナを引き連れてパニ子の家に謝罪にきたのです。この一件がきっかけとなり、アキナは徐々に変わり始め、パニ子とも仲良く遊ぶようになりました。
幸せの価値はお金だけではありません。日常にある小さな幸せに、気づけるような人でいたいものですね。