パニ子は夫と幼稚園に通う娘・パニ美と3人で幸せに暮らしている28歳の専業主婦。楽しみながら節約するのが趣味です。しかし、同じ幼稚園のママ友・マリナは度を越した節約をしていて……。
ポイント集めが大好きなママ友
ママ友数人で食事に行くと、マリナはクレジットカードのポイントをためるために、テーブルでみんなの会計を必ずまとめます。もしピッタリの金額を払えない人がいる場合には、コンビニなどで両替を強要するほど。
そして、最近マリナが得意としているのは、インターネットの予約サイトを使ってランチや飲み会のお店を予約すること。店のポイント、クレジットカードのポイント、予約サイトのポイントの「3重取り」をして、「これが賢い主婦の節約術なの」と豪語しています。
ポイントが貯まらない店は大反対!
ある日、幼稚園のクラス委員が、会場の相談をしてきました。「ねぇ、パニ子さんのお父さんって『居酒屋パニの里』のオーナーでしょう? おいしいと評判だし、パニの里でクラス会を開けないかな?」と。パニ子は、「2階の座敷を貸し切りにすれば、周りの人に気兼ねなく子連れで食事できるよ」と提案しました。
しかし、その話を聞いたマリナは猛反対!「だって、パニの里って予約サイト使えないでしょ?! そんなアナログな店の人気が出てママ友会が開かれたら、ポイントが貯まらないじゃない!」と、あくまでポイント目当て。
パニ子が「ポイント集めに精を出すのも良いですけど、常識の範囲に収めておいた方がいいんじゃないでしょうか」と冷静に提案するとマリナは大激怒!
周囲のママ友のおかげでなんとかマリナの怒りはおさまったかのように見えました。
50人分のドタキャンの罠
パニ子はその後、「居酒屋パニの里」をネットで予約できるよう登録! 初回登録で1000ポイントもらえると聞いたマリナは、しぶしぶ納得し、50人分の予約を入れました。しかし、とんでもない反撃に出たのです……。
クラス会当日、開始時刻になっても誰一人としてやってきません。おかしいと感じたパニ子がマリナに連絡すると、「他にもっと良いお店があったから、会場変わったんだけど、連絡しなかったっけ~?」と大笑い。
そして「もうみんなこっちの店に集まってるし、今回はキャンセルってことで~!」と言うのです。
お店が損をしないカラクリとは
クラス会の幹事をしていたマリナは、パニ子以外の保護者に「会場が変更になった」と連絡をしていたのです。怒り心頭のパニ子でしたが、冷静に「キャンセルだったらそれでもいいけど、うちは事前決済だよ? マリナさんのクレジットカードからは決済が完了してるから、パニの里への支払いは全部あなた持ちだね~」と伝えました。
「え! うそでしょ! そんな!」電話口で泣き崩れるマリナの様子を見た保護者たちは、マリナが今回企てた計画を知り、大激怒! マリナはその後総スカンされることに。
そして、クレジットカード引き落としができなかったことで今回の一件が夫にバレて、クレジットカードもポイントカードも取り上げられたそうです。マリナは唯一の趣味であるポイント集めができなくなって抜け殻のようになっています。
「居酒屋パニの里」のその後
その後、保護者たちが今回のお詫びということで「居酒屋パニの里」を訪れ、そのまま常連客となりお店は大繁盛! 子連れでも気兼ねなく食事を楽しめる居酒屋として、人気がさらに広がっています。
自分の利益のために、相手をコントロールするのは言語道断。趣味は周囲に迷惑をかけず、楽しみたいものですね。