パニ子は30歳の専業主婦。会社経営をしている2歳年上のツバサと結婚し、4歳の息子・タイチと3人で仲良く暮らしています。しかし、幼稚園の送迎時に傲慢なママ・マイと出会うのが、とにかく憂鬱なのです。
ママ友の猛攻撃
マイは会うたびに、「タイチくんまた背が低くなったんじゃない? やっぱり身長も遺伝するのねぇ~タイチくんかわいそう。うちの息子は高身長間違いなしだけど♪」とパニ子一家を見下し、自慢ばかりしてきます。
ある日、ランチデートを楽しんだパニ子と夫のツバサがレストランを出たところ、マイに遭遇! 初めてツバサを見たマイは、「もしかして旦那さん? 私の夫はあのパニコレ商事に勤めてるエリートだから、平日の昼間に妻と優雅にランチなんて絶対にできないわぁ♪ 低収入の旦那さんを持つと、自然と夫婦のコミュニケーションが円滑になっていいわねぇ」とツバサにも嫌味を言ってきたのです。
嫌味を笑顔で聞き入れた理由
さらにマイは、「ねぇ聞いて。私の夫は年収2000万円なの。身長は183センチでタワマンの33階に住む、顔面100点のイケメンで幼稚園のママたちからの人気も高いの♡ それに比べてパニ子さんの旦那さんは身長170センチないわよね? きっと低年収でしょ? 男なら年収1000万以上、身長170センチはないとダメよ」と言いたい放題。
さすがに我慢の限界に達したパニ子が反撃しようとしますが、ツバサは笑顔で制しました。それ理由があったのです。
パーティーで真実が明かされた
それから数日後、パニ子とツバサが夫婦で招待されたパニコレ商事のパーティーに参加しました。パーティーを満喫しているとマイが「はぁ? なんでパニ子さんたちがいるわけ?」と大騒ぎ。マイの声を聞きつけ、マイの夫・ヒロがかけつけてきました。
ヒロは「おい! お前、社長に失礼だろ!」とマイに激怒。ツバサはパニコレ商事の大事な取引先相手で、今回のパーティーはパニコレ商事が3年もかけて契約成立したお祝いだったのです。
ツバサは「奥さんに先日、低身長低収入だと言われちゃいましてね。いやぁ、まいったなぁ」と言うと、マイは顔面蒼白! ヒロは「え……!? 妻がそんな失礼な発言を?! 社長、誠に申し訳ございません……!」と冷や汗ダラダラで頭を下げます。
マイも一緒になって謝罪しますが、もう時すでに遅し。ツバサはパーティーでマイに正体を明かそうと思い、嫌味を言われても笑顔だったのです。
傲慢ママ友のその後
ヒロはこれまでのマイの傲慢な態度に困り果てていたこともあり、このパーティーがきっかけで離婚。タワマンからも追い出され、アパート暮らしになったものの生活レベルが落とせず、昼夜アルバイトに追われる生活を送っているそうです。マイがいなくなり、パニ子一家にもようやく平穏な日々が戻ってきました。
マイは、他人と比較して、他人を軽視することでしか自己肯定感を得ることができなかったのかもしれませんね。人は見た目や仕事だけがすべてではありません。その人の性格や価値観にもしっかりと目を向けたいものです。