結婚するまでは知るよしもなかった夫の二面性……。夫のやさしさに惹かれて結婚したはずなのに、今ではすっかり変わってしまいました。
外面がいい夫
つい先日、家族で私の実家に行ったときのこと。夫はいつものように両親に丁寧な挨拶をして「妻と娘は僕の宝物です」なんて言っていました。もちろん、両親もそんな夫のことをベタ褒め。でも、車に乗ったとたん、急に不機嫌になってしまいました。
「2時間も演技を続けるってマジでダルい。お前の両親、質問攻めでうるさいし気が休まらないわ」
さっきまでの夫と同一人物なのかと疑いたくなるほどの変わりようです。でも、残念ながらこれが夫の本性。とにかく人目を気にして、周りから「いい夫」「いい父親」だと思われるために、ずっと演技をしています。
保育園でも夫の外面は抜群! ママ友にまでいい顔をするようになって、もううんざりしていました。
娘のために我慢してきたけれど…
休日の買い物でも、夫は終始不機嫌モード。娘がグズりそうなので、抱っこをお願いしても、全力で拒否します。そのくせ、店員さんに声をかけられたり知り合いに遭遇したりすると、途端にいい夫モードに変わります。
さらに、家では自分が一番じゃないと気が済まないようで、娘のおむつ替えをしている最中でもお構いなし。すぐに手を止めて要求に応えないと不機嫌になって、離婚を持ち出すようになりました。
今までは娘のために我慢してきましたが、もう限界です。このまま一緒にいても、幸せになれる気がしません。でも、どうせならこのまま泣いて引き下がるのではなく、最後に思い切り仕返ししてやりたいと思った私。翌日から夫の言動をすべて記録することにしました。夫が太刀打ちできないよう、徹底的に暴言の証拠を集めることに決めたのです。
わが子への対応に怒りMAX
今日も仕事から帰るなり、夫の文句は止まりません。玄関に出迎えに行かなかったことをグチグチ言ったかと思えば、夕飯のおかずをみてはセンスがないと言い……、証拠が集まるのはいいことですが、聞き続けるのもいい気分ではありません。
なんとか苛立ちを隠して証拠集めを続けていると、気が付くと1年が経ち、娘は3歳になりました。おしゃべりが大好きな娘は、一生懸命仕事から帰った夫に話しかけるのですが、「疲れてるのにじゃまだな!」と酷い対応です。
我が子にやさしくできない外面夫なんて、もういらない! と私の怒りがMAXに達したころ、タイミングよく保育園からお祭りの開催を知らせるメールが届きました。これはチャンスかも! そう思った私は、このイベントを復讐の場にしようと決めました。
これで悔いなし!
保育園のイベントと聞いて、夫は張り切って参加。もちろん、その姿を他のママたちがいつものように褒め称えてくれます。でも、今日こそはみんなに夫の本性を教えてあげようと思って、ちゃんと証拠も持ってきました。早速、ママたちの言葉に反論スタート!
「家では毎日文句ばっかりでね。むしろ文句を言わない日なんてないくらい!」
「上からの暴言もすごいのなんのって! 疲れてるときなんてもう最悪~」
夫は私が突然そんなことを言ったので、大慌て。私は構わず続けます。
「皆さんが思うほどウチの旦那って良い人じゃないんですよ〜」
ママたちが驚くなか、とっておきの証人が登場しました。
「わたし、パパと遊んでもらったことない。いつも邪魔だって言われるの」
娘が放ったこの一言で、一気に流れが変わりました。これまで夫を称賛していたママたちも、夫に冷ややかな視線を向け始めます。今がチャンスだと思った私は、この日のためにしっかりと編集しておいた暴言の音声データを大公開してあげました。聞き終えたママ友は、ドン引きです。
夫のプライドをズタズタにできて、私はスッキリ! これで悔いなく離婚できます。今回の復讐で大健闘してくれたのは、ほかでもない娘。子どもは素直で嘘がつけません。
あんな父親で寂しい思いをさせたのは事実ですが、母子で歩み始めた新たな一歩。これまでの分も、愛情をたっぷり注いで育てていきたいと思います。