宿題を終わらせずに登校しても、怒られなかったことに味を占めたイチくん。
以来、宿題を隠したり、終わったとウソをついたり、無敵の状態です。
ついに担任の先生から電話が…
「先週のイチくん、宿題忘れが多かったのですが……」
イチくんの無敵状態が長く続くはずもなく、担任の先生から電話がかかってきてしまいます。
しかし、必死に弁解するオニハハ。さんに、先生はむしろ感謝を伝え、「お母さんが寄り添ってくれるなら安心です」と言うのです。
「もし終わらなくても、学校で先生と一緒にやりますから」
「えっ……いえ、お忙しい中、そんな……。家でやります」
忙しい先生には頼れない。でも、3年生の今つまずいたら、4年生になってから困る——。
先生がくれた言葉に一瞬、安堵するオニハハ。さんでしたが、それ以上に焦燥感が募ります。
「ただ、出された宿題をやる。これがこんなに難しいことだなんて……」
オニハハ。さんは試行錯誤の毎日を振り返ると同時に、イチくんにきつい言葉をかけたことを悔やみます。
「でも、宿題はやらないと……イチが困らないように、イチのために……」
イチくんに無理をさせたくない気持ちと、イチくんが困らないために宿題をさせたい気持ち。悶々と考えていると、そこに仕事を終えた夫が帰宅します。
「励ましても褒めてもダメで、結局は怒っちゃって、泣きながら終えました……」
今日の宿題について聞く夫に対し、オニハハ。さんはヘトヘトの表情で答えます。夫は「お疲れ」と労いますが、オニハハ。さんは言葉が止まりません。
「毎日学校に行って、授業も頑張って、それだけで本当にすごいことなのに。笑顔で帰ってきてくれるだけで十分なのに。なんで毎日、宿題で怒って……」
「俺が言えば泣く泣くやるけど、帰りが遅いから寝るまでに終わらないしな」
悩みに悩むオニハハ。さんとは裏腹に、夫は至って冷静です。そして……
「でも俺、子どものころに宿題やった覚えねぇし」
「え……」
宿題をするのは当たり前だと思っていたオニハハ。さん。夫の思いもよらぬ一言を聞き、「宿題をする理由」について考えるのでした。
夫の意外な一言から、考える機会を得たオニハハ。さん。宿題をするのが当然だった人も、そうでなかった人も、確かに十人十色なのかもしれません。
ワンオペの育児をしていると、育児に関する考え方も一方向になりがちですよね。悩んだときこそ、まずは誰かに相談! 夫はもちろん、自分ではない誰かの一言が、何かのヒントになるのかもしれません。