3度の流産を経験し、4度目で念願の出産! 生まれたばかりのわが子をうれしそうに抱っこしている夫。きっといいパパになると思っていましたが、現実は違いました。夫が少しずつパパになっていく様子と不安なママの気持ちを交えながら、その期間の過ごし方のヒントをお伝えします。
念願の安定期! おなかに触れない夫
子どもが大好きで、子どもができることを心待ちにしていた夫。妊娠3カ月での流産を3度経験し、4度目で初めて安定期を迎えることができたときは、涙が出るほどうれしさでいっぱいでした。
胎動が始まり、私はうれしくて、おなかをさすりながらおなかの中の赤ちゃんに声をかけていましたが、なぜか夫は私のおなかを触ろうとしませんでした。いくら夫に促しても、「いや、生まれてくるまでは……」と言うばかり。3度の流産経験から、ダメだったときのつらさが耐え難く、浮かれてはいけない! と自分に言い聞かせているようでした。
いよいよ出産! 初めての抱っこは夫
出産は帝王切開のため、誕生した娘の初抱っこは夫でした。写真で見る夫は、大事そうに娘を抱え込み、にやけた表情。本当にうれしい! という気持ちがあふれていました。
入院中は、仕事帰りに病院に来ては娘を見て帰る毎日。ところが退院後、夫は娘を抱っこするなど、すすんでお世話をすることはありませんでした。娘のお世話はすべて私の係。私は、「自分の娘がかわいくないの!?」と、夫の態度に戸惑い、睡眠不足と育児疲れでイライラが募るばかりでした。
変わり始めた夫 、パパになる
夫が変わり始めたのは、娘が生後2カ月のころ。娘にだんだんと表情が現れ、体も大きくなり、しっかりしてきて安心したのか、夫は娘をすすんで抱っこするようになりました。仕事帰りは決まってベビーベッドへ。私が忙しいときは、自分から積極的に育児用ミルクをあげたり、おむつ替えをしたり。何も言っていないのに、お風呂を洗い出し、娘と入ることもありました。
娘のお世話のほとんどはまだまだ私ですが、協力的な夫の態度にイライラが減っていきました。パパとしての何かが、夫の中で芽生えたのではないかと感じています。
今になって思うと、わが家の夫には、パパになるための準備期間が必要だったのだと思います。いつか必ずパパになる日が来る。それまではイライラせずに、「赤ちゃんがパパを見ているよ~。抱っこしてみない?」と、ママがパパの育児参加を促したり、待ってあげたりすることも必要なのかもしれないと感じた経験でした。
著者:永山たまこ
女児の母。3回の流産後、不育症の治療をえて高齢で娘を出産。現在は仕事と育児に奮闘中。愛犬と娘を連れて散歩に行くことが日課。