家を出て数年後、私は大学で出会った彼氏と婚約。実家に挨拶に行くことになりました。実家には、ろくに働かずに親のスネをかじり続ける姉も住んでいます。
姉は自分より先に私が婚約したのが気に入らない様子。彼に私の悪口を吹き込みます。夫が鵜呑みにしないといいのですが……。
順風満帆な生活
実家での挨拶を終えた数日後。今度は彼の職場の社長に挨拶をするために、会社のパーティーに参加しました。
社長は想像よりもずっと若くてびっくり。社長は早くに奥様を亡くしたそうで、3人の子どもを育てるシングルファーザーです。私は、パーティーに参加していた社長の子どもたちとあっという間に仲良くなりました。
その様子を見ていた社長は、ベビーシッターをしないか? と私に声をかけてくれました。結婚後は会社を辞めてパートを探そうと思っていた私にとって、かなり良い話です。彼も自分の株が上がるとノリノリ! そんなこんなで、私は結婚後の仕事をゲットしました。
母が目撃したものとは?
それからすぐに入籍した私たち。しかし、彼は結婚してから仕事がどんどん忙しくなり、想像していた甘い新婚生活とはかけ離れた毎日を送っていました。
そんなとき、父の社員旅行に同行しているはずの母から1本の電話が入ります。「体調が悪くて私だけ先に帰って来たら、家のベッドで……」そこまで聞いた私は、母の声色からすべてを悟りました。姉と夫は私に隠れて関係を持っていたのです。
すぐに実家に向かうと、夫と姉はリビングで母からお説教されている最中。浮気をされていただけでもショックなのに、よりによって相手が姉だなんて……。私はその場で2人に慰謝料を請求すると宣言し、夫には離婚を言い渡しました。
さらなる姉の嫌がらせ
それから2年の月日が経ち、離婚の傷が癒えてきた私は、実家に戻っていました。そこに突然インターホンが鳴り、玄関のドアを開けると、赤ちゃんを抱く姉と元夫が目の前に立っています。
私が絶句していると「あんたへの慰謝料の支払いが大変だから、今日から実家で暮らすことにしたわ。独身の寄生虫は出ていって!」と姉。お金に困っているのも事実だと思いますが、私が実家で生活をしていることを聞きつけて、嫌がらせをしにきたのだと思います。しかし姉の計画通りにはいきません。
「独身って誰のこと?」私が聞き返すと「あんた以外誰がいるのよw」と姉が鼻で笑っています。姉は、私が夫に捨てられた惨めな女だと思って疑いもしなかったのでしょう。
そこにやってきたのは夫とかわいい3人の子どもたち。その顔を見て元夫は真っ青になっていました。なぜなら、私の夫は元夫の会社の社長なのですから。
強欲な姉の末路
実は私は、元夫と別れてからも社長の子どもたちのベビーシッターを続けていました。社長とは自然と惹かれあうようになり、結婚したのです。そして、両親と暮らしたいという私の思いを汲んで、こうして実家で同居してくれています。
姉と元夫はそれ以上何も言えず、しっぽを巻いて帰っていったのでした。
夫やかわいい子ども、不自由しない暮らし……、どれも姉が強く欲していたものです。私から奪うことで自分を満たしていた姉も、さすがに社長夫人の座は手に入れられないでしょう。
もっとも、私も狙って社長夫人になったわけではありません。好きになった人が社長だっただけ。強欲で意地悪な姉には、そんな人生一生やってこないでしょうね。