定年退職したばかりの義父は一日中家にいて、ゴロゴロしています。家事は一切せずに、ずっと私に「メシはまだか」と聞いてくるのです。
洋食メニューを作れば「胃もたれがする」と文句を言い、和食メニューを作れば「俺を年寄り扱いするな!」と責めてきます。何をしても文句を言われるので、どうすればいいのかと悩んでいました。
義父は男尊女卑思考
夫も自分勝手な義父にはうんざりしているものの、ここで反抗すれば何百倍にもなって返ってきて、食事の席がめちゃくちゃになるのが目に見えています。こうして私たちは結局我慢してしまうのです。
義父はときどき退職した会社に顔を出しては、部下たちに偉そうに指示をしたり、提案したりします。きっと今でも自分が役に立っているとの自尊心を満足させたいのでしょう。
義父が出かけるときの運転手はいつも私。私は予定があっても、義父の都合を優先しろと命じてきます。
最強の義妹が現れた!
義父から離れたすぎて離婚を考えはじめたころ、夫の弟が結婚して、妻と一緒に実家で同居することになりました。私は義父の性格を知っているため、新婚の義妹のことがとにかく心配です。
数カ月後、小柄でとてもかわいらしい義妹が義弟と一緒に実家にやってきました。彼女が介護職で働いていると知った義父は「そんなろくでもない仕事なんかせずに、これからは俺の世話に集中するように!」と義妹に命令。
すると義妹は、「わかりました! すべてお義父様に従います!」と言ったのです。義妹の様子を見て「無理して明るく振る舞っているのでは」と、より心配になりました。
義妹からの驚きの提案に
しかし義妹たちとの同居が始まると、義父の生活がめちゃくちゃになっていきました。義父に頼まれごとをしても義妹は「今日はこのお店、空いていませんよ」「売り切れていましたよ」など、いろいろな理由をつけて、のらりくらりと泳がせているのです。
自分の言う通りに動かない義妹に我慢の限界がきた義父は、「嫁なら俺に従え! ここでは俺が一番偉いんだ!」と大声で激高! そんな様子を見た義弟夫婦は「今度、認知症のお医者様のところで検査してもらいませんか?」と切り出したのです。
義父がおとなしくなった理由とは
義父は「俺が認知症だとでも言うつもりか!?」と憤慨しましたが、義妹に「興奮が制御できないのは、認知症の症状の一つなんですよ」「安心してください、お父様♪ 私は介護士ですし、良い施設を見極める目は充分にありますから♪」と力強い言葉をかけました。
義父は、自分が何かするとまた認知症だと言われるのではないか、施設に入ることになるのではと気が気でないようで、すっかりおとなしくなりました。
私はようやく義父からこき使われることがなくなり、自分の時間が持てるようになりました。義妹とも一緒に買い物へ行くなど仲良くしています。
義妹のおかげで、義父から解放されました。息子の妻だからといって、嫁をこき使っていいはずがありません。家族であれば、互いに尊重し合い、助け合いながら生活することが大切です。