義実家の酒屋でタダ働き
私は28歳のときに酒屋に嫁ぎました。義両親とは近距離別居をしています。憧れていた新婚生活のはずが、現実はそうもいかなくて……。
32歳の夫は、帰ってきて夕飯ができていないと私のことを「使えない女」と言います。私は、義父に呼び出されて自分の仕事帰りに酒屋の手伝いもしているというのに、感謝の言葉もなく「酒屋を手伝うのも嫁の務めだ」と言って私の話を聞いてくれません。しかも酒屋の手伝いはタダ働きです。
甘い新婚生活はどこにいったのでしょう。私は自分の仕事に加えて家事や義実家の手伝いと、多忙すぎて精神がすり減る生活を送っていました。
夫から義姉と比較されてしまって
ある日、酒屋の配達を手伝っていたときのことです。
配達先のリストには私の姉がチーママをやっているバーもありました。最近では義父に頼まれて連日のようにバーに配達に行っているためか、姉に心配をかけてしまったようで「ちゃんと休みは取れているの?お父さんとお母さんも心配していたわよ。落ち着いたら顔を出してあげて」と言われました。私も実家に顔を出したい気持ちは山々なのですが、毎日手伝いに駆り出されていて、正直実家に行く気力も体力も残っていません。ですが、姉にはこれ以上心配かけまいと「体力には自信があるから大丈夫!」と元気なふりをしました。
しかし数日後、配達や店番だけならまだしも、今度は義母から帳簿付けや発注管理まで命じられてしまったのです。これにはさすがにお給料をもらってもいないのに仕事が増えすぎだと、怒りを覚えた私。そこで帰ってから夫に「もう限界よ!これ以上義実家の酒屋の手伝いを続けることはできないわ!」と訴えたのです。
すると夫は、農家に嫁いだ義姉の話を持ち出してきて「姉ちゃんは子育てしながら農家で働いて、さらに義両親の面倒まで見てるんだぞ?姉ちゃんの苦労に比べれば、お前の苦労なんて軽いものだろ?」と言ってきたのです! 義姉の話を出されると何も言い返せず、私は黙るしかありませんでした。
年末年始に義実家でくつろぐ義姉
年末年始が近づき、私にも希望が見えてきました。なぜかというと年末年始は酒屋が休みのため、ようやく実家に顔を出せると思ったからです。しかし、私の期待は打ち砕かれてしまいました。夫が「年末年始は酒屋の大掃除もあるし親戚のおもてなしもあるから、実家に帰る時間ないてないぞ」と言うのです!せめて1日だけでも休みが欲しいと食い下がりましたが、「そんなことしたら親戚からダメな嫁だって噂されるぞ。年末年始は嫁の務めを果たせ!」と言われてしまいました。
そして渋々ながら迎えた年末年始。お店の掃除を手伝うために義実家を訪問すると……なんとそこには、のんびりとくつろいでいる義姉の姿が!「え?あの……よく旦那さんや義両親が実家に帰ること許してくれましたね」と尋ねると、姉は「やだー!うちは年末年始はそれぞれ自由に過ごしているの。義両親は祖父母を連れてハワイに行っているし、夫と子どもたちはスキーが好きだから毎年スキーキャンプに行ってるのよ」と言うのです。
「でもお正月が明けたら帰らなくちゃですよね。農作業もあるし……」と質問を重ねると、義姉は「ううん。私は義実家の農家のお手伝いは一度もしたことがないの。それを条件に結婚したし、今どき農家の嫁が奴隷扱いでタダ働きを強いられるなんてありえないわよ!」と言います。
予想外の答えに思わず困惑してしまった私。しかし同時に夫が私に嘘をついていたとわかり、怒りで体が震えてきました。するとその数日後、実の姉から電話がかかってきて「ある話」を持ちかけられました。その内容を聞いて、私は夫に仕返しをする覚悟が決まったのです。
ずっと騙していた夫への反撃を開始!
後日、姉が自宅を訪ねてくれました。ちょうど夫もいたためすぐに本題へ。何も知らない夫は「お久しぶりです。今日はどうしたんですか?」と驚いています。姉はそんな夫に「あなたにお話があってきたのよ」と、今度からバーの帳簿付けや事務仕事を私にお願いしたいのだと話しました。
私からも「これからは義実家の手伝いには行けなくなるからよろしくね」と言うと、夫は「それは困るよ!親父とおふくろだけじゃ手が回らないって!」と焦っています。そこですかさず姉が「これまで義実家のお店ではいっさい妹にお給料を支払っていなかったんでしょう?私のお店の手伝いをしてくれたらちゃんとお給料は払うし、家計の助けにもなるからいいんじゃない?」と返したところ、夫は反論できずタジタジに。
それもそのはず。先日、義両親に聞いてみたところ、義両親は私宛てにきちんと給料を出してくれていたようなのですが、それを夫が「俺が渡しておくから」と言って、私には渡さずポケットマネーにしていたことが発覚したのです。さらにお店の従業員の新規採用も、夫が義両親にストップをかけていたと言うではありませんか。
しかも、その理由は「酒屋を継がせる予定の嫁に今から仕事を覚えさせておきたいから」とのこと。夫は私だけでなく実の両親までも騙していたのです。
妻と両親に嘘をついた夫の末路
義両親から渡されていた私のお給料はどこにあるのか問いただすと、夫は冷や汗をかき始めました。これも実は姉から聞いていたので知っているのですが、夫はキャバクラで豪遊しているそうです……。人の給料をキャバクラに使って、残業してきたふりをして私に冷たく当たるなんて信じられません!
私は「そんなにキャバクラに行きたいんだったら自分のお金で行きなさいよ。私は離婚するから、これからはどうぞお好きなように」と伝えました。すると、この期に及んで夫は「お前がいなくなったら店の手伝いは誰がするんだよ!?」となぜかお店の心配をしてうなだれています。
離婚ではなく、店の手伝いの心配をする夫に腹が立ちましたが、ここで姉がとどめを刺してくれました。「もうお店の心配はしなくて大丈夫よ。あなたのご両親とは以前からお付き合いがあるから今回のことを話したの。そしたらすごく怒っていたわ。うちの息子に非があって離婚するのは申し訳ないですとも。それでね、お店も引き際だったし、未払いの給料は店を閉めてからご両親が一旦立て替えてくださるって」と。
ちなみに、義両親は「未払いの給料を立て替える代わりに息子とは縁を切る」とも話していたそうです。
後日談
夫との離婚を決意した私は実家に帰ることにしました。夫は最後になって「俺が悪かった!だから離婚だけは!」とすがりついてきましたが、情けは無用だと思った私はその手を振りほどき、念願の実家でゆっくりと離婚準備をしたのでした。義両親はこれまでのお給料を一括で立て替えてくださり、そのあとで夫にきっちりとお金を請求したそうです。
その後、私は今まで続けていた仕事をやめて姉の事務仕事を本格的に手伝うことに。姉のお店はお客さまが増えて、なんともう一店舗オープンすることになりました! 姉にいろいろと助けてもらった分、恩返しができるよう、これから頑張ろうと思います!
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