副会長に注意された会長のボスママ
保護者会はボスママ会長による独裁状態。「出入り業者は自分の知り合いにする」、「もう話はつけたから!」など、周りの意見を聞くことなく進めていくので、ほかの役員たちも困惑する事態に。
見かねた副会長がほかの人の意見を聞くよう注意しました。すると……。
ボスママはプライドが傷ついたのか「私はこんなにがんばっているのに!」と周囲に触れ回り、人前で泣くように。さらに、ボスママは副会長を無視するようになり、会議も副会長抜きで進めようとするので、周囲はますます困惑するばかりでした。
ひと月ほど険悪な空気と混乱は続きました。副会長が「ちゃんと話しましょう」と言うと、ボスママは「うち引っ越すから、勝手にしたら?」と言い放ち、副会長をはじめとしたその場にいた全員があ然……。
翌日、ボスママは保護者会室にPTA会長用引継ぎノートを置いて、そのまま帰ってしまったのです。しかも、保護者会の役員の連絡先をすべてブロック。その2週間後には宣言どおり退園し、引っ越していきました。あまりの無責任さに、保護者会の役員だけでなく、園の関係者までがビックリして呆れていました。
自分の思うようにいかないからとへそを曲げて仕事を放り出したこともですが、退園や転居までしてしまう行動力には驚きました。
ボスママが去ったあとは、副会長が中心となり保護者会を運営。ボスママがいたころとはうってかわって、穏やかに進行していきました。ボスママのトラブルを知って、進んで手伝いを申し出てくれた保護者の方もいて、無事に卒園式を迎えました。どんな組織でも周囲との連携や協力が大切なのだと感じた出来事でした。
著者:高野ひろ子/女性・主婦。9歳と5歳の男の子を育てる母。在宅ワークを少しこなしつつ家事育児がメインの日々過ごしている。
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています