母に婚約したことを伝えると、おめでとうと祝福してくれました。電話の向こうから、父の嬉しそうな声も聞こえます。続けて彼のことを母に話すと……。「彼って3丁目に住んでいる奥さんの息子さん?」と聞くのです。顔の広い母は、彼の実家のことも知っていたのです。そして父と母が私に聞こえないように何かを話しているようでした。私が「なんの話?」と尋ねると「なんでもないよ!ただ噂を聞いたことがあってねぇ」と言い話題を逸らすのでした。
不審者が現れパニック
数日後、会社に出勤すると同僚たちが私の方へ駆け寄ってきて、会社の前で知らない女性が私について聞いてきたと言うのです。その女性は、私の仕事のことや交友関係、給料や部署内でのポジションなど根ほり葉ほり聞いてきたと言います。こっそりその女性を撮影したという同僚に写真を見せてもらうと、まったく知らない人の姿が。怖くなり私は不審者が出たと会社の上司に報告。その後、同僚たちが不審者に絡まれることはなくなりました。
なぜか浮気を疑う彼
後日、夜中の3時に着信があり目覚めると彼から電話がありました。彼は「今、他の男と一緒にいる?」と妙なことを言い始めるのです。その日は心配することはないよと伝え電話を切りました。翌日、会社を出て1人で夜道を歩いていると誰かにつけられていることに気がつきました。なんとか自宅へ戻り、彼にこのことを相談したのですが気にしすぎじゃない?と言うのです。そんなことを言いながらも、翌日から私の家に一緒に帰宅することになりました。 次の日、一緒に帰宅した彼が「浮気してないよね?」と探ってきます。何を言っても信じてもらえずスマホを見せることに。このやり取りは翌日も、その翌々日も続くのでした。この無駄な会話に疲れた私は彼に自分の家へ帰るよう告げます。そのタイミングで彼のスマホがなったので見ると彼のお母さんからでした。内容を確認した彼はなぜか上機嫌になり「浮気を疑ってごめんね!」と言い帰っていくのでした。
私をつけまわしていた犯人が判明
ある日、私は結婚の挨拶をするために彼の家へ向かいました。私は彼の両親が待つリビングへ通されました。すると彼のお母さんが私に向かって「あなたにお話があります」と言い始めるのです。話の内容は、探偵を雇い私のことを調べていたということ。しかも最初は、彼のお母さんが私の素行を調べていたと自白。そう、私の同僚たちに私のことを根掘り葉掘り聞いていたのも、私を尾行したのも彼のお母さんだったのです。しかも、このことは彼も知っていたようで、お母さんからの連絡でご機嫌になったのも逐一報告をいけていたからだそう。「浮気はしてないようね?ご両親も含めて借金はナシ。正直お顔が残念だけど、まあ妻としてギリ合格ね」とおかしなことをいうのです。
自業自得な彼と彼母は…
耐えきれなくなった私は「不合格で結構です」と突き返します。私はスマホを出し、画面を彼のお父さんに見えるように掲げます。そこには彼の母と中年男性が車に乗り抱擁する姿が。実は、彼のお母さんが浮気をしていると噂で聞いていた私の母が調査してくれていました。顔の広い母の元へたくさんの浮気情報が入ってきたらしく、簡単に証拠を掴むことができたのです。衝撃の事実に彼の父は激怒し離婚したそうです。もちろん私も彼と婚約破棄をしました! そして、不倫やら婚約破棄やら噂の的となった彼と彼の母は、耐えきれずこの街を出ていくこととなったのでした。
その後の私は、誰かに後をつけられることもなく平穏な日々を取り戻しました。私はもう少し、顔の広い両親ものとで街のみんなに守られながら平和な生活を楽しもうと思います!