仲良しだと思っていたのは私だけ…?
娘が2歳の誕生日を迎えたある日。Aさんと偶然会い、娘が熱を出したため家族での誕生日会は延期になったと何気なく話すと、「そうなんだ……。あ、そういえばね」とそっけない反応。私は突然別の話題に変えられたことに違和感を覚えましたが、自分の気にしすぎだと考え、そのときはあまり気に留めていませんでした。
数日後、娘と公園に遊びに行くと、Aさんを含む数人のママ友と出会います。みんなで談笑していると、ひとりのママ友が娘の誕生日を思い出し、「おめでとう」と言ってくれました。しかし、居合わせたママ友が口々にお祝いの言葉をくれる中、Aさんだけはなぜか何も言ってくれません。今まで仲が良かった分、かたくなにお祝いの言葉を口にしたくない様子のAさんに、どうして……? と疑問を感じる私。その後もAさんとはスーパーや公園で会っていましたが、いたって普通。子ども同士の仲が良かったこともあり、私は変わらず交流を続け、次第に誕生日の件を気にしなくなりました。
そして数カ月後、Aさんの息子くんが2歳の誕生日を迎えた際に「おめでとう」と伝えると、Aさんは「私は娘ちゃんにおめでとうって言わなかったのに、息子のことを祝ってくれるの?」と驚いた表情に。私はその言葉の意味が分からず、理由を聞きました。Aさんの息子くんは成長がゆっくりだったため、Aさんはずっと娘と比べて落ち込んでいたのだそう。そのせいで娘の誕生日を素直に祝う気持ちになれず、「おめでとう」と言えなかったことを後悔している、と話してくれました。私はAさんの本音に驚きましたが、今はもう気にしていないと伝えて仲直り。
それから私とAさんは、子どものことだけでなく、なんでも本音で話せる仲の良い友だちになりました。今まで私は、「ママ友は子どもありきの関係」と割り切って、どこか上辺だけの付き合いをしていたような気がします。Aさんとの一件で、本音で話せば距離が縮まるのだと気づけました。
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作画/Pappayappa
著者:上原つむぎ
元気すぎる2歳の娘の相手をして毎日ヘトヘトになりながらも、家事や育児に奮闘中。ストレス解消は寝かしつけのあとの晩酌。