出産までは普通に過ごせていたのに
産院も実家の近くを選んだ私。里帰りをして1カ月経ち、出産予定日を過ぎた日の深夜に破水したため、寝ていた実母を起こして病院へ……。
無事に出産し、毎日病院に顔を出してくれる母にありがたさを感じながら、退院後もお世話になることを心強く思い、入院期間を過ごしていました。
ちょっとしたことが気になって…
夫に付き添われて退院し、その数日後には精神的に不安定になっていたように思います。
父は仕事をしていたので、産後は全面的に母のサポートに頼りきりになっていたこともあり、「せめて、おむつ替えや沐浴の準備は私が全部しないと!」という気持ちになってしまい、素直に頼れずイライラ……。
特に、息子のお世話に関してはナーバスになっていて、「こうじゃないとダメなの!」と母に強く当たってしまった私。それでも母は何も言わず、ただ私に寄り添ってくれました。
お七夜でようやく気づいたこと
息子が生まれて7日目、夫も実家に呼んで、お七夜のお祝いです。両親はお寿司を頼んでくれて、他にもごちそうが並びました。それだけでもうれしいのに、母が私にかわいらしい封筒を手渡してくれ、そこには“出産祝い”の文字が……。
お世話になっている身でありながら、母につらく当たってしまっていたことへの後悔、産後の慣れない育児の不安などがあふれて、私は思わず泣いてしまいました。
すると母もつられて涙し、さらになぜか夫も涙。私は知らないうちに、ひとりぼっちで育児をしようとしていたのだと気づきました。
今でも困ったときは助けてくれる母。息子も大きくなってきたので、育児も少しずつラクになり、今度は私が助ける番だと思っていますが、母本人は「まだまだそのつもりはないからね」と言っています。
著者:畑野ナツミ
2019年生まれの息子のママ。ピアノ講師として、子どもから大人まで幅広い年代のレッスンを担当。音楽関係の記事や、体験談記事の執筆を中心にライターとして活動中。