できる限り夫を支えたいと思うものの、私にも仕事があって思うようにサポートできません。そんな私に夫はーー。
夫を支えたい
「家で夫がくつろげるようにするのも妻の仕事だ!」と“自分が一番”発言をする夫。そんな夫に不満もありますが、たしかに会社でも家でもくつろげないのはキツいはずです。
そう思った私は、それ以来言いたいことがあってもグっとこらえて、ゆっくり過ごせる家づくりに努めました。
それから数カ月経ったある日。仕事を終えて家に帰ると、夫は珍しく上機嫌。「大きな契約が取れたんだ!」と聞いて、私は思わず夫に抱き付き、何度もおめでとうと言いました。
心が壊れてしまった夫
その後も夫は順調に契約を取り、成績は右肩上がり。上司からも一目置かれるようになったのですが、その分業務量も増え、家で過ごす時間が短くなっていったのです。
仕事がうまくいかないことも心配でしたが、うまくいったらいったで、それもまた心配です。夫はまたしてもストレスを抱え始めました。しかしこれまでと違って私に当たることはなく、ただただ元気を失くしていったのです。
ついに夫は、心を壊してしまったようで、診断書を持って帰ってきました。もう限界のようです。
これ以上仕事を続けていると、夫は心も体も病気になってしまうかもしれません。私は夫に仕事を休むようにすすめました。
休職期間の過ごし方
休職期間に入った夫は、朝から晩までゲーム三昧。すっかり昼夜逆転の生活を送っています。顔色は良くなりましたが、果たしてこれが快復に向かっているのかどうか心配になってしまいます。
私は担当医から詳しく話を聞こうと、診断書を片手に病院を訪れました。
用件を伝え、待合室で待っていると、診断書を持った看護師さんがやってきて、「非常に申し上げにくいのですが……」と暗い表情を浮かべています。定期的に受診していると夫から聞いていたので、もしかして検査でわるい結果が出てしまったのかと思い、ドキドキしながら話を聞いていると「これは、偽造の診断書のようですね」とひと言。
思いがけない言葉に、私は固まってしまいました。
夫が診断書を偽造したワケ
家に帰って夫を問い詰めると、ポツポツと本音を打ち明けてくれました。
夫はかなり前に心も体も限界を迎えていたようで、何度も休職しようと思っていたそう。しかし、八つ当たりも丸ごと受け止めてくれた私に、「休みたい」と言えなかったのだと話します。そこで、私に休むように言われることを見越して、診断書を偽造したのだとか……。
夫がしたことは許されない行為ですが、夫を責める気持ちがなくなってしまった私。せっかく夫婦になったのに、本音を飲み込んでしまったことはもちろん、夫に話してもらえなかったことを思うと、不甲斐ない気持ちでいっぱいです。
いろいろな感情が交錯し、涙を流す夫と私。これからは隠し事をせず2人で支え合っていこうと約束しました。
ひとりでがむしゃらに頑張るのも素敵ですが、夫婦二人三脚で歩むのも素晴らしいことです。男だから、大黒柱だから、と抱え込むのではなく、夫婦で支え合って生きていきたいですね。