そんなわが家の平和が崩れ始めたのは、義実家への訪問がきっかけでした。義両親は遠方に住んでいるので、義実家に遊びにいくのは初めてです。
義母の主張
義実家で食事をした後、お世話になってばかりでは申し訳ないと思い、私は皿洗いを申し出ました。私がいつものように夫に手伝いを頼むと、突然義母が怒り出したのです。
何事かと思ってリビングに駆けつけると、夫に家事をさせて何とも思わないのかと怒鳴られました。夫婦は対等・家事は分担すると結婚前に話し合ったと伝えても「家事は女の仕事よ!」と義母の怒りはおさまりません。
夫に助け舟を出してもらおうと目配せすると、「やっぱりそうだよな! さすが母さん! 俺も実はそう思っていたんだ!」と、まさかの寝返り。
義母からは、会社で働く夫がゆっくり休めるように家を整えるのが嫁の仕事だとお説教をされてしまい、初の義実家訪問は嫌な思い出となりました。
家事は私の仕事に…
それ以来、夫は担当だった家事をしなくなり、私は家事と仕事に大忙し。一生仕事を続けたいと思っていた私は、離婚も頭をよぎります。
しかし、これですぐに別れてしまうのではなく、ラストチャンスとして夫に気持ちを伝えてみようと思い、話し合いの機会を探っていました。
そんな矢先、夫の兄が離婚したという連絡が入りました。どうやら義母は、義兄の奥さんにも同じことを言ったよう。それ以来すべての家事を義姉がやっていたそうですが、しびれを切らした義姉が子どもを連れて出て行ってしまったのだとか……。
離婚を阻止したのは…
あんなにバリバリ仕事をしてカッコ良かった義兄だったのに、家族が出ていった途端、まるで別人かというほど老け込んでしまいました。出て行かれたショックはもちろん、義姉に任せすぎていて家のことは何もできず、慣れない家事にクタクタなのだそう。
義母は息子たちに一切の家事をさせなかったようで、夫も驚くくらい何もできませんでした。洗濯機の使い方も知らなければ、米を研ぐときには洗剤を入れ、ゴミの分別すらできない世間知らずっぷり。義兄も苦労して当たり前です。
夫はそんな義兄に自分の姿が重なったようで、急に家事の分担を申し出てきました。この間のことは夫の中ではなかったことになっているようです。
罪深い義母
少しもやっとしたものの、これまで通り分担ができるのなら……と考え、夫を許すことにしました。
罪深いのは、家事ができない息子を2人も社会に送り出し、結婚してもなお家事をしないよう仕向ける義母です。もし私に子どもができたら、男女問わず家事を教えていくと心に決めたのでした。
「男は外で働き、女は家を守る」そんな考え方が当たり前だったのは、もう昔のこと。家事や育児は夫婦で協力していきたいですね。