記事サムネイル画像

肥満、肌荒れ、便秘、骨粗しょう症…トラブルを防ぐ「アンチエイジングミネラル」とは【医師解説】

「ミネラル」は健康や美容には欠かせない、と耳にするもののどんな成分で、どんな働きをしているのかイマイチよくわからないもの。特に体に必要な成分は「必須ミネラル」と呼ばれ、その数は16種類あります。そしてその中でも、美容界で重視されているミネラルがあるといいます。40代、50代女性にとって必要なミネラルなのでしょうか。美容専門医の黒田あい美先生に聞きました。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師黒田 あいみ 先生

美容・アンチエイジング専門医。トライアスリート。Zetith Beauty Clinic医師(東京都中央区銀座4丁⽬2-17 銀座111レジャービル13階)。1979年東京生まれ。2003年獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2007年品川美容外科へ入職、2011年品川スキンクリニック新宿院の院長に就任。2013年同クリニック、表参道院院長に就任。その後、予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の非常勤医師として複数のクリニックの勤務を経て、現在に至る。著書に『アスリート医師が教える最強のアンチエイジング』(文藝春秋)。
新着記事が配信されたら、メールやプッシュ通知でお知らせ!

 

「アンチエイジングミネラル」とは?

あらゆる代謝に欠かせないミネラル「マグネシウム」

必須ミネラル16種類にはカルシウムや鉄などおなじみの成分もありますが、その中に「マグネシウム」があります。黒田先生によれば、この「マグネシウム」が健康や美容に影響を与える「代謝」をつかさどっていると言います。

 

「マグネシウムは体内の300以上の酵素の補因子または活性化因子として働き、さまざまな物質代謝に関わっています。

 

特に糖代謝によるエネルギー産生において、重要な役割を担っています。

 

食事からとった炭水化物は消化管でブドウ糖になり、全身の細胞に送られます。エネルギー産生はブドウ糖を細胞内で代謝して生じるATPという物質がもとになりますが、このATPが作られる過程で必要な10種類以上の酵素反応にマグネシウムが欠かせないのです。

 

また、脂質の運搬や分解に関与する酵素反応にもマグネシウムが必要です。

 

つまり、糖代謝や脂質代謝でマグネシウムは大量に消費されるため、糖質やアルコール、脂っこい食べ物が好きな人は不足しがちになります」(黒田先生)。

 

「マグネシウム」が不足するとどうなる?

バリア機能

 

肥満や肌荒れの原因になることも

マグネシウムが不足すると、美容面ではどんな影響が出るのでしょうか。

 

「マグネシウムは肌のバリアー機能に欠かせない、アシルセラミドという成分の合成に関わっています。マグネシウムが足りていないとバリアー機能が低下して、保湿機能が落ちて外部からの刺激を受けやすくなります。肌荒れ、炎症、乾燥が起こりやすくなりますね。

 

ダイエット面でも影響が出ます。肥満は、脂肪細胞の中に余分なエネルギーが中性脂肪の形で過剰に蓄えられた状態ですが、マグネシウムが脂肪分と反応すると体内に吸収されにくくなることがわかっています。

 

また、マグネシウムは脂肪細胞からのアディポネクチン(痩せホルモンと呼ばれ、脂肪燃焼作用がある)の分泌を高める作用があるといわれています」(黒田先生)。

 

肌や体形だけでなく、健康への影響も大きいと黒田先生は言います。

 

マグネシウムは骨や歯を強くする作用があります。

 

歯や骨はカルシウムだけでできていると考える人は多いと思いますが、歯や骨はマグネシウムからもできています。実に体内のマグネシウムの50~60%が骨に存在します。カルシウムは骨の強度(硬さ)を高め、マグネシウムは骨の柔軟性や弾力性を高める役割を担うとされています。

 

マグネシウムは便秘解消にも有効です。

 

マグネシウムには水分を引き込む作用があり、これが便秘に有効に作用します。マグネシウムをとると、腸内で水分を引き寄せ腸の内容物を軟化、膨潤することで、大腸への物理的刺激が生じ排便が促進されます」(黒田先生)。

 

 

「マグネシウム」の摂取方法は?

マグネシウムふろ

 

欧米では経皮吸収が主流

マグネシウムを効率的にとるためにはどのようなことを気をつければ良いでしょうか。

 

「まずはバランスの良い食事を心がけることが大切です。糖質やアルコール、脂っこいものをなるべく控えることも必要ですね。

 

一般的に、マグネシウムが多く含まれる食品は、そば、バナナ、ひじき、豆、五穀、豆腐、抹茶、ごま、わかめ、野菜(緑色)、魚、しいたけ、いちじく、昆布、牡蠣(かき)、いも類、納豆、とうもろこしなどがあります。

 

私は食事以外にサプリメントでマグネシウムをとっていますが、注意してほしいのは、便秘の処方薬としてもらった酸化マグネシウムをサプリメントの代用品にしないこと。

 

酸化マグネシウムは体内に吸収されにくいため、サプリメントとしての役割はありません(黒田先生)。

 

マグネシウムは便秘解消の作用がある分、とり過ぎると下痢の原因にもなるといいます。そのため欧米ではマグネシウムを経皮吸収で体内に取り入れる方法が主流だそうです。

 

クリームやスプレー、入浴剤などがあり、日本でも手に入れられます。

 

私も入浴剤と外用剤(クリーム)を愛用しています。マグネシウムは血流を良くし、代謝を良くするので体が温まります。肌だけでなく髪にもよく、髪質改善や増毛も期待できます。私は入浴時、マグネシウムが入ったお湯を髪につけています」(黒田先生)。

 

まとめ

マグネシウムというと化学の授業で少し勉強した程度で、まさか美容に欠かせない成分であるとは思いもよりませんでした。なお、黒田先生によれば、ストレスが多い場合もマグネシウムが不足しがちになるということ。ストレスは健康と美容の大敵ですね。

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

 

ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように!


取材・文/mido

ベビーカレンダー記事制作の取り組み
  • \ この記事にいいね!しよう /
    シェアする

    • コメントがありません

  • 気になる記事をまとめ読み

    人気連載

    新着連載

    連載完結

    もっと見る

    注目記事を探す

    人気記事ランキング

    アクセスランキング
    コメントランキング

    お得な無料キャンペーン

    暮らしの新着記事

  • PICKUP

    他のテーマの
    記事を読む