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ヘリコプターペアレントにラップ子育て→「私もやってるかも…」という声多数!言葉の意味、知ってる?

「ヘリコプターペアレント」「ラップ子育て」、どちらも子育てに関する言葉を指します。SNSなどで目にしたことがあるでしょうか?

これらは、近年の子育てで問題視される“ある状態”を、皮肉を込めて表した言葉です。SNSでは「これ私かも……」と反省する投稿も見られました。

この記事の監修者
監修者プロファイル

保育士小崎恭弘
大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学)教授、大阪教育大学附属天王寺小学校校長

兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年間勤務。3人の息子が生まれるたびに育児休暇を取得。市役所退職後、神戸常盤大学を経て現職。専門は「保育学」「児童福祉」「子育て支援」「父親支援」。NPOファザーリングジャパン顧問、東京大学発達保育実践政策学センター研究員。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等にて積極的に発信をおこなう。「男の子の本当に響く叱り方・ほめ方」(すばる舎)、「育児父さんの成長日誌」(朝日新聞社)、「パパルール」(合同出版)など、著書多数。NHK Eテレ「すくすく子育て」出演。2022年より「保育」と「育児」分野のYahoo!ニュースオーサーに。
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ヘリコプターペアレント・ラップ子育てとは?

「ヘリコプターペアレント」とは、ヘリコプターのように頭上をホバリングして子どもの生活を監視し、コントロールする保護者のことを言います。子どもを心配するあまり、常に先回りし、失敗やリスクから遠ざけようとします。

 

「ラップ子育て」とは、保護者が自分の子どもをラップで包み込むように守り、外から受ける刺激や経験を遮断してしまうことを指します。

 

いずれも、日本国内のみならず海外でも用いられている言葉で、過保護・過干渉な保護者への皮肉を込めて表しています。

 

SNSを見ると「自身の母親がヘリコプターペアレントで苦労した」という子ども側の意見や、「そうならないように気をつけたい」という保護者としての自戒を込めたコメントなど、さまざまな反応が見られました。

過保護・過干渉のデメリット

「ヘリコプターペアレント」や「ラップ子育て」のような言葉が使われるようになるほどに、過保護や過干渉が問題視される昨今ですが、SNSを見ると「つい過保護にしてしまう」と悩む声も目にしました。

 

過保護や過干渉をセーブするには、どのような心構えが必要なのでしょう。育児の専門家である大阪教育大学教育学部教授・小崎恭弘先生に聞いてみました。

 

小崎先生曰く、過保護・過干渉には以下のようなデメリットがあるそうです。

 

1.適切な成長の阻害
壁を越えようとするような挑戦ができない、やらせてもらえないことで、成長のバランスが崩れてしまう。

 

2.保護者への依存が高くなり自立できない
保護者の言いなりになり、なんでも保護者に頼る。自分で決められない。

 

3.さまざまな責任を保護者に求め、自主性が育たない
うまくいかないことや失敗などを、保護者の責任として自分の非を認めず、努力しない。

 

改めてデメリットを見ると、保護者としてちょうどいい距離感を保って子どもを見守る必要性が感じられます。

過保護にならないポイントは?

では、ちょうどいい距離感を保つにはどのような心構えがあると良いでしょう。小崎先生に意見をお聞きしました。

 

小崎先生「子どもと親の距離感は、近過ぎず離れ過ぎないちょうど良い間隔が必要になります。


イギリスの小児科医として著名なウイニコットは、良い親として『good enough mother』(母親と特定していますが、父親でも良い)と提唱しています。

 

『goood enough』とは、『過不足のない』『適度な』『ほどよい』などという意味です。


子育てには『大き過ぎず・小さ過ぎず』『速過ぎず・遅過ぎず』『近過ぎず・遠過ぎず』など、極端な関わりではなく良い頃合いの、適切な関わり方が大切であるということです。


ちなみに関西弁では『よい加減』のことを『ええかげん』と言います。『ええかげんな子育て』とは、親子の関係性のあり方のひとつの真理だと思います。

 

完璧な子育てや、すべてに親が関わることが良いことではありません。それはまさに過保護、過干渉です。

 

親が子どもの育つ力を信じて、少し気持ちを楽に構えて『まぁいいかぁー』ぐらいの距離感が子育てには必要なのかもしれません」

 

過保護な自分に気づくためには?

ここで保護者として気になるのは、自分と子どもの距離感ではないでしょうか。知らず知らずのうちに、過保護や過干渉になっていないか、気になる人もいるでしょう。

 

自身の過保護や過干渉には、どうしたら気がつくことができるでしょう。

 

小崎先生「年齢に応じて親との距離感ができるものですが、自分たちで見極めることは簡単ではありません。

 

これには、実家のお母さんや周りの友だちなどの、本音で接してくれる人と関わることが必要です。そんな人に『手をかけすぎでは?』と言われたら、子どもとの距離を見つめ直すときと言えます。


また、同じ年齢の子どもやその子育てをよく見て、どのように関わっているのかを冷静に見てみることも有効です」

 

子育てへの警鐘

​モンスターペアレントに続き、最近耳にするようになった「ヘリコプターペアレント」や「ラップ子育て」。これらは、過保護や過干渉を揶揄しつつも、その背景には過保護過ぎる子育てへの警鐘があるのかもしれません。

 

ベビーカレンダーが実施したアンケートによると、「ヘリコプターペアレント」という言葉を知っている人は9% 、「ラップ子育て」という言葉を知っている人は、わずか2%でした(2024年6月時点。ベビーカレンダー投票箱機能調べ)。

 

これからさらに過保護や過干渉が問題視され、各所でこの言葉を聞くようになるのか、はたまたそこまで浸透せずに終わるのか……。気になるところですね。

 

 

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